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【ポケモン小説「絆」】Story10:黄色いポケモンとウバメの森と育て屋さん。

「ポケットモンスター ハートゴールド・ソウルシルバー」―絆―
Story10:黄色いポケモンとウバメの森と育て屋さん。



「ピチュー!」

という鳴き声をかける黄色いポケモンがセツナの目の前に立っていた。図鑑を開くとすでに捕まえたという表記がされていた。そして、このポケモンは「ピチュー」という名前らしい。
しかし、普通では絶対にあり得ないのだが、一体どうして・・・。

「ん?」

図鑑を見ていて不思議な事があった。図鑑に載っているピチューと、色が微妙に違うのだ。図鑑に載っているピチューは、今ここにいるピチューより薄い黄色をしている。だが、目の前にいるピチューは色が濃い。簡単にいえば、色違いということだ。

「ピチュピチュ!」

色違いのピチューは何かを訴えるかのように、セツナの足をツンツンとつつく。そして「こっちにきて」と言わんばかりに、走って行ってしまう。何が何だか分からないセツナは、とにかく色違いのピチューについて行った。
ゲートを抜け、ウバメの森に入る。ピチューに導かれながら昼間でも暗いこのウバメの森を進む。

「ピチュー!」

細い木が大きな木の間に生えている。この木が邪魔で前には進めない。「いあいぎり」の出番だが、まだ覚えさせてはいない。ひとまずカエンに「いあいぎり」を覚えさせ、目の前の細い木を一刀両断した。
木と木の間を通ると、小さな祠が見えた。屋根が赤色をしていて、祠のボディは白。そして、古めかしい木製の扉が取り付けられていた。その祠をしばらく見ていると、

「ピチュ♪」

他のピチューの鳴き声がした。そのピチューは祠の裏からひょっこり顔を出し、セツナの周りをぐるぐると回り出した。ふと、左耳の部分を見るとギザギザした形になっていた。別に傷つけられたわけではなく、耳の先っぽの毛並みが三又に分かれているから、ギザギザしたような形になっているのだ。そして、そのギザギザした耳のピチューは色違いのピチューを見るなり、楽しそうに遊びだした。
すると、ウバメの森の奥からお爺さんがゆっくりとこちらにやってきた。

「おやおや・・・その祠にいたずらをしてはいかんぞ!神隠しにあうからの。」
「神隠し・・・ですか?」
「この祠の近くでは、子供やポケモンがいなくなる事があるのじゃ。時間を自由に飛び越える力を持ったポケモンの仕業だと言われておるがのう。ほんとに不思議な事じゃ・・・。」

時間を自由に飛び越える力を持ったポケモン。それは、時渡りポケモンのセレビィ。文字通り、時を渡りさまざまな時代へ移動が出来るという伝説のポケモンだ。しかし、セツナがこのポケモンに会うことは、この先ずっとないだろう・・・。
お爺さんはギザギザした耳のピチューの方へと向いた。

「おやおや、この子は・・・。」
「このピチューのこと知っているんですか?」
「いやぁ、何時からかわしも知らんのじゃが、この森にすみつくようになったピチューじゃよ。初めて会ったころは寂しそうにしておったが・・・今日はずいぶん元気じゃのう。」

そうお爺さんが言うと、あたかも「この子と会えたんだよ!」と言っているように、色違いのピチューとくっついた。

「なるほど、なるほど。仲良しの友達と再会できたみたいじゃな。」

ギザギザした耳のピチューはさらに喜び飛び跳ねる。そして、セツナの方を見つめた。どうやら、一緒に旅をしたいようだ。

「僕と・・・一緒に来るかい?」

セツナはそう言って手を差し伸べると、ギザギザした耳のピチューは「ぴりぴりちゅー!」と言って喜んだ。

「おおそうじゃ!若いポケモントレーナーにモンスターボールをプレゼントじゃ!わしがポケモントレーナーとして、現役バリバリじゃった頃使っていたボールじゃぞ。」
「使い捨てですか・・・大丈夫なんですか、そんなの使って・・・。」
「なーに、心配はいらん。ちゃーんと使えるからのう。」

そう言ってから、セツナにモンスターボールを手渡した。

「おお、ギザギザ耳のピチューもお前さんのモンスターボールに入りたがっているようじゃ!」

そう言われたので、セツナはギザギザした耳のピチューの真上で高々とモンスターボールを投げると、それが頂点に達し落下しだした。その時、ギザギザした耳のピチューはジャンプをしモンスターボールの中に入って行った。3回ほど揺れ動きが止まる。つまり、このピチューをゲットしたのである。
そうなると、ニックネームをつけなくてはならない。

「ん~・・・どうしようかなぁ・・・。」

セツナのニックネームセンスは、あまりいいとは思えない。だから、かなり考えていい名前をつけようと思っていても、その名前がなかなか出てこないのである。いつもの事である。

「よし!この子の名前は『エレナ』だ!よろしくね!」

セツナにしては頑張って考えた名前である。しかしおそらく由来は「電気タイプ→電気ってエレキテルとかいう時あるよね?→じゃ、そこから取って女の子らしくエレナで。」だろう・・・。

「エレナとつけたのかい。なるほど可愛い名前じゃな。友達と一緒ならその子も嬉しいじゃろ。大事に育ててあげるんじゃぞ。」

お爺さんはそう言って、森の奥へと姿を消してしまった。

「で、キミはどうするの?」
「ぴちゅ?」

この色違いのピチューはこの後どうするのだろうか。自分の手持ちではないし、手持ちにすると7匹連れ歩くことになってしまう。だが、トレーナーの手持ちは6匹まで。だから、このピチューはおそらく・・・パソコンへ転送せねばならない。
ひとまず、どうすればいいのかと思っていると、色違いのピチューは懐からごそごそと見慣れないモンスターボールを出した。そのモンスターボールのスイッチを押してサイズを大きくさせ、色違いのピチューをしまった。すると、そのモンスターボールは強制的にパソコンの方へと転送された。今確認に行けば、ボックスの中に入っているだろう。

「さて・・・。」

このウバメの森を抜けますか。
そう自分に言い聞かせる。こんな薄暗い森の中だ、時間の感覚が鈍る。ポケギアの時間を見れば、今が昼間だというのがわかるのだが、いざポケギアをしまってしまえば時間の流れはきっと早まるだろ。
とにもかくにも、夜になってしまう前にここを抜けて早急にコガネシティに着きたいところだ。そうすればいい時間帯にもなるし、一晩泊る事が出来る。
セツナは到着の時間を午後の6時~7時までにと予想を立てた。といっても、ヤドンの井戸の事件、ジム戦にナツキとのバトル。かなりの時間がたっている。見れば普通に午後の時間はとっくに過ぎている。本当に早くこの森を抜けなくてはならない。
今いた祠を後にして、先ほどお爺さんが奥に行ってしまった方向に足を進める。周りは大木だらけで、幽霊でも出るんじゃないかという気分に襲われる。実際幽霊などでることはないのだが、そういう気分にさせるというのがこの森にはあった。木々をくぐり抜け、「おとくなけいじばん!」と書かれた看板を見つける。

ウバメのもり では
きが うっそうと おいしげり
そらも みえないほどに
うすぐらく なっています
あしもとの おとしものに
どうぞ ごちゅうい ください

確かに看板通りだと思った。空はいたって全く見えないし、木々の隙間からは木漏れ日がところどころに差し込んでいる。落し物をしてしまうのも納得がいく。その証拠に(というわけではないが)道端にプラスパワーが落ちていた。プラスパワーは戦闘中のみに効力を発揮するアイテムで、攻撃力を高めるという効力が付いている。しかし、その効力はほかのポケモンに交代すると効力が切れてしまうのだ。効果を維持させるには、ポケモンを変えずに戦うしかないのだ。
ひとまずそのプラスパワーをバッグにしまい、目の前に広がる大きな池を見つめる。その先にはウバメの森の出口と言われるようなゲートが見えた。と言っても、木々たちが邪魔をして、見えたのは全体の20%ぐらいだ。この池を泳いで進んでいけば出口はすぐ目の前なのだが、そんな事はおそらくできはしない。「なみのり」があれば進んでいけるのだが、今のセツナの実力ではその技を手に入れることは難しい。ひとまずこの方法を諦めて前に進む。
すると、段差の上で体格の大きな男性が、気に向かって頭突きをしていた。おそらくここからでは話しかけることは不可能。遠回りできるかもしれないと思い、そこの場所から走って遠回りをした。だが、木々が多いこのウバメの森で遠回りはかなり厳しいものだ。遠回りするのはいいのだが、それで迷ったら一巻の終わりである。うまく道らしき道を通って行き男の前までやってきた。

「あの、何やってるんですか?」
「え?何してるかって?頭突きで木を揺らしてんだよ。お前さんもポケモンにやらせてみるなら、教えてやるぜ?」

何故そういういきさつに辿り着くのだろうか。誰もやらせたいとは言っていないのに。しかし、これはいい機会だ。「ずつき」を誰かに覚えさせよう。セツナはそう思った。
すると、チックが何故かモンスターボールから出てきた。どうやら「ずつき」を覚えたいらしい。だが、チックはすでに4つの技を習得している。覚えさせるには、技のどれかを犠牲にして忘れさせてから覚えさせる必要があった。ちなみにチックが覚えている技は「てんしのキッス」、「あまえる」、「じんつうりき」、「ゆびをふる」だ。「ゆびをふる」と「じんつうりき」は戦力には欠かせないと思い、あと2つのどちらかを犠牲にしようと考えた。そして考えた結果、「てんしのキッス」を犠牲にすることにした。

・・・1、2の・・・ポカン!

チックは「てんしのキッス」の使い方をきれいに忘れた。そして、チックは新たに「ずつき」を覚えることに成功した。

「ふふふ、どうだ。お前さんのチック、いっそうたくましく見えるぜ!」
「ホントですか!ありがとうございます!よかったね、チック!」

―はいでしゅ~!さっそくやってみるでしゅ~!―

そう言ったので、目の前にある木に頭突きをしてみた。「ガコン!」という大きな音を立てて、大木が大きく揺れる。その拍子に現れたのがホーホーだった。寝起きだったのか結構怒っている。そのホーホーに更に頭突きをして追い払った。そして、もう一度その男性にお礼を言ってから、段差を飛び降りて出口へと向かった。
先ほど遠回りした道の方向へ進み、小さな段差と段差の間に出来た道を進もうとしたとき、セツナは誰かと目があった。トレーナーかと思いきや、それはとてもとても美しい女性の姿。赤からオレンジへ、オレンジから黄色にかけての美しいグラデーションのかかった着物を着て、赤い鼻緒の下駄をはいていた。肌は化粧で白くしてあり、頭にはきらきらと輝く髪飾りがいくつも付けられていた。
しかし、この格好の女性・・・以前どこかで・・・。

「迷子の迷子の舞妓はん。森で迷ってさあ大変ー。」

そう、この女性はキキョウシティで出会った女性と全く同じだった。だが、その女性とは少し違うような・・・。

「なんどす?うちに見覚えがある?キキョウの町で?それは気のせいと違いますかー。」

やはり別人のようだ。だが、いくらなんでも似すぎている。姉妹なのだろうか?

「ところであんさん、森の出口はどちらか教えてもらえまへんやろか?」

「はい」と口から出まかせ。ついつい口走ってしまった。自分もまだ抜けていないのに。

「はい・・・・・・ってあんさん、自分もまだ森を抜けられしまへんのに、出口がわかるんどすか?」

すると、先ほどからモンスターボールから出ていたチックが歩き出し、出口の方向に進み途中で止まってぴょんぴょんはねた。

「んまあ!うちに出口を教えてくれますのん?賢いポケモンどすなあ・・・。」

おそらく、先ほど「ずつき」を覚えたせいもあるのか、いいところを見せたかったに違いない。

「ほな、おさきにー。」

そういって、舞妓はんはチックの横を通り過ぎて出口へと先に行ってしまった。そして、チックもこっちに戻ってきて、ウバメの森を抜けるために前に進む。出口が近くなってきているのかどうかは定かではないのだが、木と木の間が広くなっていた。これなら進みやすい。出口ももうすぐである。そのおかげもあるのか、先ほど見た池が見えた。つまり、出口はもうすぐそこだということだ。そこから何メートルか歩くと、ゲートが見えた。

「やった!出口だ!」

そう呟いてゲートを通る。中にいた女性に話しかけられ「わざマシン12」を貰った。入っているものは「ちょうはつ」これを使うと、相手側のポケモンはダメージを与える技しか使えなくなるというものだ。つまり、能力を上げて積んでくる相手にはもってこいの技だった。しかし、今のセツナにその使用はおそらくない。
そして、ゲートを抜けると空は薄暗くなっていた。夜中になる前にウバメの森を抜けてよかったと一安心するセツナだった。そして、また「おとくなけいじばん!」を発見する。

ここから きたにある
コガネシティ ラジオとう にて
プレゼント キャンペーンちゅう!
クイズに こたえて
ラジオカードを もらっちゃおう!

と書かれていた。
ラジオカードとは一体どんなものだろうか?分からないのならば、行って確かめるしかない。そう思って意気揚々と歩きだす。すると・・・

「ごめん!どいてぇええ!!」

と女の子の声がした。振り向いたセツナだがもう遅い。勢いよくセツナとぶつかり、地面にばたりと倒れてしまった。

「いたたたた・・・い、一体なんなのさ・・・。」
「いてて・・・ごめんね、いきなりぶつかっちゃって。」

女の子は可愛らしいニット帽をかぶり、黄色い三角形の髪留めをしていて赤いマフラーをしていた。服装はとても涼しそうな格好で、袖の付いていない服だった。そして、ピンクのスカートにピンクのブーツをはいて、大きな黄色い肩にかけるタイプのカバンを持っていた。
2人は立ち上がって、お互い服のほこりを払い自己紹介をする。

「さっきはほんとにごめんね。私の名前はルミコ。シンオウ地方のフタバタウンに住んでるんだ。」
「し、シンオウ地方?!」

聞いたこともない地名だ。ジョウトやカントーならまだしも、シンオウ地方だなんて・・・一体どこぞの国からやってきたのだとセツナは思った。

「あぁ、やっぱこの辺じゃ名が知れてないか・・・シンオウ地方はここからずーっとずーっと北にある雪国の地方だよ。」
「ゆ、雪国・・・ですか・・・そんな地方に住んでるあなたが、何でこのジョウトに?」
「一応冒険、かな?一度行ってみたかったんだ!ジムバッチは今集めてるところかなぁ~。」
「そ、そうなんだ・・・僕はセツナ。で・・・いつからジムバッチ集めて・・・?」
「つい3日前から!」
「えぇええええええええええ!?」

話によると、1週間前キッサキシティという場所から船に乗り移動を始めた。そこから幾多の電車を乗り継ぎ、コガネシティに到着したのだという。ジムバッチを手に入れるなら、まずはキキョウシティからの方がいいと聞き、疾風の如く走り回りたった1日でキキョウシティに辿り着き、自慢のポケモンでハヤトに勝利し、そしてヒワダタウンまでまた走りツクシを今倒してきたばかりだという。この話を聞く限り、彼女はとてつもない実力者の持ち主だと感じた。

「いやぁ、ジョウトのジムリーダーも強いよねぇ~!私驚いちゃった!」
「は、はぁ・・・。」

自分が苦労して勝ち進んだジムリーダーを、いとも簡単に倒しておいて「強い」というとは・・・一体彼女はどれほどの実力があるというのだ。

「そだ、あなた今からコガネジム挑戦しに行く?」
「まぁ、そのつもりだけど・・・。」
「じゃ、一緒に旅しようっか!旅は道連れって言うしね!」
「は、はぁ・・・。」

別に1人でも、セツナは手持ちのポケモンたちと会話が出来るので寂しいというわけではないのだが、まぁ1人増えても特に支障がないのでルミコとの旅を了承した。

「これからよろしくね!セツナくん!」

といって、ルミコはセツナの肩を叩いてクスクスと笑った。
とにかく、これから先の旅はルミコとの冒険になる・・・ということだ。

「そういえば、セツナくんの今の手持ちは?」
「え?」
「え、じゃないよ。私が今の手持ち見てあげる!」

ということで、手持ちをすべて出してみた。マグマラシのカエン、コラッタのラト、バタフリーのピースケ、トゲチックのチック、モココのメリル、そしてギザ耳ピチューのエレナ。

「セツナくん、トゲチック持ってたんだね!この子、更に進化するんだよ!」
「そうなの!?」

―じ、自分でもわからなかったでしゅ!!―

ルミコは驚いているセツナを横目に、ショルダーバックからきらきらと輝く石を取り出した。

「それは何?」
「これはね、『ひかりのいし』っていって特定のポケモンを進化させる事が出来るアイテムなんだよ。まぁ、進化させるか進化させないかは、セツナくんの自由だよ。」

そういって「ひかりのいし」をセツナに手渡した。
ちなみに、チゲチックが進化するとトゲキッスというポケモンに進化する。しかし、今進化すると技を覚えなくなってしまうのだ。その事を思ってはいないのだが、セツナは今進化させるよりもっともっと強くなってから進化させようと思い、「ひかりのいし」をバッグの中にしまった。

「進化させないんだね?」
「うん、今進化させるとなんか取り返し付かなくなると思うから・・・。」
「そだね!じゃ、コガネシティへレッツゴー!」

と、テンションをMAXにあげセツナを引っ張り走り出す。途中何人かのトレーナーにバトルを挑まれ、そのうちのピクニックガールのミズホとポケギアの番号を登録し合った。どうやら、たまにアイテムを拾うので見つけたらそのアイテムをくれるというのだ。どんなアイテムをくれるのかは分からないが、無償でアイテムをくれるのはとてもありがたいことだ。
「見つけたら電話するね!」と会話を交わし、セツナとルミコは先を急ぐと、目の前には広い土地を設けた場所に、普通の民家よりも大きな建物があった。屋根の色は赤色をしていて、壁の色は白。ウバメの森で見た祠と同じ配色である。ちなみに、空から見れば、この建物は「L字型」に見える。
その建物の横に設置された看板の横に、老人が立っていた。ここは一体何なのかと尋ねようと、その老人に尋ねようとすると・・・

「おじいちゃーん!」

と、聞き覚えのある声がした。その声の主はコトネだった。コガネシティのある方からマリルと一緒に歩いてきて、老人の前で止まった。

「お仕事お疲れ様!おじいちゃんからもらったポケモン、とっても元気にしてるよ!」
「おう!そうかそうか!」
「おじいちゃんも元気にしてるね・・・あ、セツナくん!」

会話している途中で、コトネはセツナの存在に気付いた。そして、こっちに来てと手招きされたので、コトネのそばによる。ちなみにルミコも一緒だという事をお忘れなく。

「紹介するわ!トレーナーのセツナくん。ポケモンを育てるのがなかなか上手みたい。おじいちゃんには負けるけどね!」
「ほほう、そうかいそうかい・・・で、そのセツナくんの隣にいるのは誰じゃ?」
「え?あ・・・。」

どうやらコトネは今、ルミコの存在に気が付いたようだ。「普通気が付くでしょ」と思ったが、ルミコは口に出さなかった。

「あなたは誰?」
「コトネ、僕から紹介するよ。彼女はルミコさん。シンオウ地方ってところから来たんだって。」
「シンオウ地方?!聞いたことない名前ね・・・。」

「あぁ、やっぱり名が知れてないのか」とルミコはうなだれた。

「まぁとにかくさ、2人ともついてきて!」

そういうと、コトネは先ほどの建物の中に入っていき、2人も中に入って行った。中に入ると、板の模様のタイルが敷かれた床が目に入った。見た目だけあって、中も結構広い。隣のスペースとは真っ白な策で遮られてはいたが、そのスペースには人工的に作った芝生広場が見えた。しかし、人工的にとは言ったが、そのスペースの芝生広場は自然のものと同じように見えた。人工芝を使用してはいるもののおそらくその使用率は30%にも満たないだろう。自然なものを取ってきて、後は人工芝で補っているに違いない。
そんな描写をしたのかどうかは定かではないが、セツナはそうやってあたりを見回していた。そうしていると、コトネとルミコは入口から何メートルか離れた場所にあるカウンターの前にいたので、セツナも後に続いた。

「おばあちゃん!友達のセツナくんを紹介するわ!あと、さっき一緒になったルミコさんも!」
「ほうほう、孫がぼーいふれんどを。いやーなるほどなるほど。」

カウンターにいた老婆――コトネのお婆さんがそういうと、コトネの顔が赤く染まり、あたふたと慌て始めた。その時セツナは、「何で顔が赤くなる必要があるんだ」と首をかしげ、隣でルミコとモンスターボールから出ているチックは、その様子を見て深くため息をついた。「何て鈍感なんだ」と・・・。

「え、おば・・・!何、変なこと言ってんの!そんなんじゃなくて、この人はご近所の・・・。」
「わかっとるわかっとる。コトネが連れてきたのだから、腕は確かじゃろう。な、セツナくん、またいつでも遊びにおいで。」

おばあさんがそう言った次に、ルミコもとっさに「私も遊びに行きますね」と後押しした。

「じゃ、じゃぁ・・・あたしはこれで!」

と、コトネは顔が赤いまま外に出ようとしたが・・・

「あっ・・・!すっかり忘れちゃってたよ。」

といって、入り口付近で何かを思い出し引き返してきた。一体何の用だろうか。

「はい、これ。あたしのポケギア番号!」

といって、自分のポケギア番号が書かれてメモ用紙をセツナに手渡した。そして、それをすぐに登録して、セツナもコトネに番号を教えてあげた。ついでにルミコも。

「連れ歩いてるポケモンに話しかけたりしてる?道とか町とかで、いろんなしぐさをするのよ!」

それは百も承知だよ。それに僕はポケモンと話が出来るし・・・などとは口が裂けても言えない。

「あたし、ポケモンの仕草を観察してメモしてるから、電話してくれれば教えるよー。」

明らかに「いつでも電話していいんだからね!」という気持ちが込められたセリフではあるが、鈍感なセツナには全く分かってはいないだろう。

「おばあちゃん!ポケモントレーナー同士だから電話を登録するんだからね。余計なこと言わないでよっ!」

再び顔を赤らめて、慌てて外に出て行ってしまった。
そんなコトネを見て、ルミコは「フフン」と鼻を鳴らしニヤリとしていた。

「そういうことかぁ・・・コトネちゃんってば可愛い♪」
「え?何が?」

そう答えたセツナに、ルミコとチックは再びため息をつくのであった。
そして、建物の外から出ると「おお、そうじゃ!」と老人――コトネのお爺さんが話しかけてきた。どうやら電話番号を教えてくれるそうだ。しかも、お婆さんの分まで教えてくれるのだという。理由はこうだ。

「あんたから預かったポケモンの様子を教えてあげられるじゃろ?」

だそうだ。セツナは早速、お爺さんとお婆さんの電話番号をポケギアに登録した。

「わしらにポケモンを預けたら、時々電話するがええ。」
「あ、はい。わかりました。」
「ポケギアで連絡するなんて、世の中便利になったわねw」
「うむ、わしも孫からぷれぜんとされたぽけぎあが役に立ってとてもうれしいわい。」

そう言葉を交わし最後に「また来ますね」といい、その場を去ろうとしたがここは何するところだろうという事を聞くのを忘れていたので、聞いてみることに。
この場所は、他人のポケモンを育成する「育て屋」であった。何かを育ててほしい時は、お婆さんに言ってくれとのことだった。今のところ育ててほしいポケモンはいないので、育ててほしいポケモンがいたらまた来ますと言って、2人はコガネシティへと向かった。

「さて、コガネに着いたらさっそくジムバトル!!」
「違うよ。もう時間帯は夜なんだから、まずはポケモンセンターに言って一晩泊ってからだよ。」
「そっか、夜に行くのは失礼だものね。」

―ご主人様もそうですけど、このルミコさんって人も何か呆れるでしゅ・・・。―

チックはそう文字を出したが、幸い2人に気付かれてはいなかったのであった。


続く・・・。
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