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【ポケモン小説「絆」】Story12:コガネジム。

ポケットモンスターハートゴールド・ソウルシルバー ―絆―
Story12:コガネジム。




結局ルミコに手を引かれ、ラジオ塔の探索をする事になってしまった。
ふとカウンターをもう一度みる。先程自分達がやっていたクイズを、他の人がやっていた。しかも、アカネと同じ問題で苦戦している。そこまで苦戦する問題なのかと問いたいが、人によっては苦戦するようだ。しかし、何故よりにもよって「ぼんぐり」を「ボンゴレ」と間違えている人ばかりなのだろうか?一応ヒワダタウンとは隣街だというのに、間違えることはないはずなのだが?そう思っていると、一つの結論にたどり着く。そうか、都会だからか。
そういえば、中心にいるお姉さんは何の担当なのだろうか?見ているとそのお姉さん(スージーという名前らしい)は、1日1回のくじ引きを担当していた。くじの名前は「ポケモンくじ」。トレーナーが必ず持っている「トレーナーカード」のIDと、くじの当選番号があっていれば商品が貰えるというものだ。しかし、ピタリと当たることはほとんどない。1~2ケタ当たるだけでも珍しいことだ。他のトレーナーとポケモンを交換すれば確率は上がるのだが、確実に当たるという保証はない。試しに2人もポケモンくじをやってみたのだが、「残念ながらすべてハズレのようです」と言われてしまった。それも当然かと言えば、当然であった。セツナは、ポケモンをまだたくさん捕まえていないのだ。ルミコにいたっては他の人とも交換しているので、当たる確率は充分にあったのだが、さすがに当たることはなかった。話を戻すと、ピタリとすべての数字が揃えば、それはそれは手にして嬉しいものが貰えるらしい。
「手にして嬉しい」といえば、マスターボールが最適だ。マスターボールは、カントー地方のシルフカンパニーという場所で作られたもので、その数は限りなく少ない。ちなみにシルフカンパニーは昔、ロケット団に占拠されてしまったのだが、ある少年の活躍により事態は解決された。だが、その事実をセツナ達が知るのはまだまだ先のお話だ。
次は2階に上がる。すると、「オーキド博士のポケモン口座、好評放送中!」と書かれた貼り紙の隣に位置する場所に、1匹のプリンが立っていた。ネームプレートがついているようで、それには「プリンちゃん」と書かれていた。野性ではないことは明らかだが、一体誰のプリンなのだろうか?考えるだけ無駄である。そして、ここの場所は営業部であり放送するためのスタジオがある。ちなみに、ここのスタジオは「第2スタジオ」である。「第1スタジオ」はそのまた上の階にある。
「第2スタジオ」に入ると、マイクが取り付けられているテーブルの上で、原稿を整理している人がいた。その人は「アオイ」という名前。ルミコが聞いた噂では、名前に反して髪の色は赤色をしていて、少しカールがかかった髪型をしているのだが、まったくもってその面影はなく、茶髪で長い髪の毛を後ろで一つに束ねていた。そんなアオイは、どうやら今から放送をするみたいだ。だが、アオイはこちらの存在に気が付いたのか、手招きをしている。何事かと思って近寄ると、突然青いカードを渡してきた。さらに状況が解らなくなっていると、アオイは自己紹介をしたあと、渡したカードの説明を始めた。そのカードは「ブルーカード」と言って、ラジオ番組「アオイの合言葉」で使用するカード。ラジオで合言葉を聞き、ラジオ塔にきてその合言葉を番組で言い正解すれば、1ポイント取得することが出来るということだ。だが、それを行えるのは1日に1回だけだという。そして「これから『アオイの合言葉』をよろしくね!」というアオイの言葉に頷いた後、第2スタジオを後にした。営業部の方でも、原稿の整理や書類を整理している人がいた。忙しそうなので話し掛けるのはやめた。ふと、棚をみると様々な雑誌がところ狭しと並べられていた。「ポケモンの友」や「ポケモン手帳」、「かわいいポケモン」など、全部調べるには手間がかかりそうである。
そして、次は3階へ行こうとしたのだが、階段の前で警備員が立っていた。理由は関係者以外立入禁止。警備員いわく「昔はそんな事なかったのに、今の局長おかしいよ。」である。3階へ行くのを諦め、しぶしぶと1階へ降り、ラジオ塔をでた。
今度こそジムヘ行くのかと思えば、またしてもルミコがセツナの手を引き走り出した。向かう場所はジムがある方向なのだが、そんなジムを通り越して小さな花屋についた。その花屋は「フラワーショップこがね」というお店の名前で、「小さなお店から、たくさんの綺麗をあなたに」がこの店のモットーである。中に入ると、色とりどりの花が置かれていた。モンスターボールから出ているカエンも、クンクンと花のにおいを嗅いでいる。そして、この店に連れて来たルミコも例外ではない。セツナを引っ張ってこの場所に来たにもかかわらず、お構いなしにお店の花達を見て「うぁあ!可愛い花!」とか「超ー綺麗ー!」などとはしゃいでいる。セツナからみてルミコは年上のはずなのだが、このはしゃぎようを見るあたりルミコが幼く見えてしまう。本当に年上なのだろうかと問いたいぐらいだ。
すると、ここの店長なのかどうか定かではないが、そのような女性が話し掛けてきた。

「あなたたち、トレーナーさん?」
「そうですけど・・・。」
「突然で悪いんだけど、お願い聞いてくれるかしら?」

そのお願いとはこうだ。36番道路におかしな木が生えていて、通行の邪魔になっているというもの。セツナもつい最近見かけたばかりだ。触るとユサユサと揺れる、あのおかしな木である。彼女の話では、水をかけると木であるにもかかわらず、物凄く嫌そうな動きをして、今にも襲い掛かってきそうなのだという。実際彼女は、怖くて触りに行くことすら出来なかったと話した。

「それなら、僕たちが行ってあげますよ!」
「ホントに?・・・でも、条件があるの。」
「条件・・・ですか?」
「あなたたち、コガネのジムバッチ持ってるかしら?持ってたら、このゼニガメじょうろを貸してあげるんだけど・・・。」

彼女はそう言った。しかし、今はバッチを持っていない。その事を伝えると、彼女は「持ってないのか・・・やっぱり自分で行かないといけないのかしら・・・。」と、ぽつーんと呟いた。その言い方が多少挑発に聞こえたが、気にしないことにした。しかし、コガネのジムバッチがない限り、あの道を通ることはおそらく出来ない。といっても、自分達もバッチを手に入れられなければならないわけだから、これはいい機会である。
一先ず「また来ます」と伝え、花屋を出た。そして、隣の大きな建物――コガネのジムの中に入って行った。中に入ると、とても女の子らしい壁と床が目に入った。壁は紫の縦のストライプに、ピンクのギザギザ模様。その頂点近くに、水色の円い模様があった。床は黒丸と二重丸の模様が、交互に描かれていた。それを見渡していると、やはりいるポッチャリとしているサングラスの男性が、「オーッス!未来のチャンピオン!」と相も変わらず話し掛けてきた。
男性に聞くと、アカネはノーマルタイプのポケモンを使うらしい。ノーマルタイプならば格闘タイプのポケモンを使用するのがお勧めだが、セツナの手持ちに格闘タイプのポケモンは存在しない。ラトが格闘タイプの「いわくだき」を持っているが、威力はそれほど高くはないので頼ることは難しい。
そう考えていると、ルミコが「私のを貸そうか?」と言い出した。話を聞くと、手持ちに格闘タイプのポケモンがいるとか。その行為はとても嬉しいのだが、セツナは自分のポケモンで戦いたいから遠慮することにした。ルミコの手持ちを見たいというのもあったが、それは後からでも出来るというのが理由だ。
とりあえず、奥に入って手前の階段を上がって行った。上がった場所には柵がなく、道幅は一人が普通に入れるぐらい。2人並んで歩くのは不可能というわけだ。とにかく一列になって、右に少し進むと何かに気付く。下を見てみると、何だかポケモンに見えるのだ。何のポケモンかと思考を巡らすと、「これ、ピッピじゃない?」とルミコが言い出した。言われてみればそうだ。よくうまく作られている。しかし、何故ピッピなのだろうか?ピッピは確かにノーマルタイプだ。まさか、手持ちにピッピがいるのでは?などと考えている2人だが、本当にピッピを持っているなど、想像もしていないだろう。
ひとまず、どうやって進めばアカネに辿り着けるか把握する。そして、少し進んだところに階段があったので、この危なっかしい場所を下り、中心部に入れるところがあったので、そこをくぐる。先程上から見た景色だが、下に降りると何気に入り組んでいる。迷路のようになっているが、そこまで迷うほどではない。くぐった先の大人のお姉さんと戦い、ここから中の方に進めないと思い、お姉さんの立っている左の空間から抜け出す。目の前に階段があったのだが、上がって行ったとしても中に入るころはできないので、遠回りしてまたくぐる。少し広い空間に出て、辺りを見回す。上から見た景色でどう移動するか把握したので、すんなりと進むがミニスカートをはいている女性と途中でバトルをする。ちなみに、バトルをしているのはもっぱらセツナである。その近くにいた女性ともバトルをする。そして、最後のところをくぐって、アカネがいる場所に辿り着く。トレーナーたちは難なくバトルに勝利するが、アカネはジムリーダー。今までのように、苦戦して勝利することには変わりない。

「お!あんたら、さっきラジオ塔にいた子やんかー!ここにいるって事は、トレーナーさんだったんやね~!」

と言って笑顔を振り撒く。何とも可愛らしくて幼い顔である。アカネの方が充分な大人だというのに、こんな幼い顔をするなんてよほど心が純粋なのだろう。
そしてアカネは笑顔を振りまいた状態で語り出す。

「なぁなぁ、ポケモンっておもろいやろ~?うちもみんながポケモンやってて、それでうちも始めてみたら、おもしろいんやわこれが!!それに、めっちゃ可愛くてな~!可愛がってたらジムリーダになってたわ~♪」

話が大雑把すぎるが、簡単にジムリーダーになったわけではない事はわかる。口では「可愛がってたら」というが、おそらくいろいろな経験を積んで、徐々にジムリーダーになれたのだろう。

「あ、そだ。あんたら、うちに挑戦しに来たんやろ?どっちがさきにやるん?」
「えと、僕が先でお願いします!」
「んじゃ、はじめよ!使用ポケモンは2体の入れ替え戦な?どっちかが両方倒れたらお仕舞や!」

そう言って、アカネはセツナから離れ配置に着く。セツナも同じように配置に着いた。ルミコは「お手並み拝見。」と呟いて、壁の隅に寄った。自分も戦う相手なので、戦略を立てようという魂胆だ。

「んじゃ、うちから行くね!出ておいで、ピッピ!」

そう言ってピッピを繰り出した。何ともアカネらしく可愛らしいポケモンだ。

「よし、じゃこっちは・・・いけ!カエン!」

モンスターボールから出して連れて歩いているカエンを前に出した。アカネに「先行はそっちからでええよ。」と言われたので、カエンに指示を出す。出した技は「かえんぐるま」。炎をまとい、相手に突進して攻撃をする技。たまにあいてを「やけど」の状態にすることが可能だ。
「かえんぐるま」の状態でピッピに迫るカエン。そこに攻撃を加えようと、アカネはピッピに指示を出す。出した技は「ゆびをふる」。どんな技が出てくるか全く分からない、未知数の技だ。出てくる技によっては、強力な技になる。
ピッピは両手の指を振り、そして天高くあげると、その状態のままピッピの数が増えた。出てきた技は「かげぶんしん」だったのだ。そのおかげで、カエンの「かえんぐるま」は当たる事はなく失敗してしまった。気付けば影分身のピッピにカエンは囲まれていた。どれが本物かわからない状態だ。そこで、意識を集中して本物を見極めようと、目を閉じるカエン。その間にアカネはピッピに指示を出す。再び「ゆびをふる」を命じ、ピッピが指を振った。そして、また天高くあげると頭上に水の渦が出現した。どうやら「うずしお」のようだ。アカネにとっては物凄く都合のいい技だが、カエンにとっては都合が悪すぎる。目を閉じたままのカエンは、音の気配に気付きカッと目を開ける。そして、ピッピの頭上にあった「うずしお」を確認し、ピッピがそれを投げたと同時にカエンはすぐさま回避し、そのタイミングを見計らってセツナはもう一度「かえんぐるま」を指示して、ピッピに直撃させた。直撃させた反動を利用して、ピッピから離れて距離をとった。ピッピの方は、影分身が消え何故か耳についた火に驚いて右往左往。どうやらやけどを負ったようだ。それを見ていたアカネも大慌てである。その様子を見て、これはチャンスと思い、カエンにもう一度「かえんぐるま」指示させ、慌てふためくピッピに直撃させるとピッピは戦闘不能になった。

「うあ~!うちのピッピがぁ~!」

と、両手で頭を押さえるアカネ。しょぼーんとうなだれながらピッピをモンスターボールにしまった。しかし、いつまでもうなだれているアカネではなかった。そこはジムリーダーとして、当然の行動だった。

「キミ、なかなかやるなぁ!でも、うちの本気はこっからやで!」

そういって、一瞬にして元気になったアカネが繰り出したのは、ミルタンク。カエンよりもはるかに体は大きい。

「うちの一番のお気に入りや!だから、簡単には勝たせへんで!」

確かに、見た目的にはすぐには倒せそうもない相手だ。だが、相手の体はとても大きい。素早く動けるはずもないと判断したセツナは、即効攻撃を行える「でんこうせっか」を指示した。カエンは素早く動き、ミルタンクを撹乱する。そして、電光石火の勢いを借りて「かえんぐるま」をお見舞いした。しかし、あまり効いた様子はない。その様子を見て、カエンとセツナは驚いた。

―え、どうして!?―

「まさか・・・特性は、『あついしぼう』?」

「その通り!」とアカネは胸を張った。「あついしぼう」とは、「ほのおタイプ」の技と「こおりタイプ」の技の威力を半減させる事が出来る特性なのだ。つまり、このまま炎タイプの技を当てていても時間をかけるだけだし、さらにこちらの体力だって削られる。
仕方なくいったん距離を取らせ、「いあいぎり」を指示する。しかし、その大きな体で簡単によけられてしまった。そして、アカネの指示によりミルタンクは防御力を上げる「まるくなる」の技を出す。そして、その状態のまま「ころがる」を指示した。すると、凄まじい回転とともに、ミルタンクはカエンに突っ込んでいった。そして、カエンはその勢いに怖気づいてしまったのか、セツナが「避けて!」と指示をしたにもかかわらず、避ける事が出来ずに凄まじい回転で迫ったミルタンクと直撃してしまった。派手に吹き飛ばされ、セツナの後ろを通り過ぎ壁にまで到達して激突。瓦礫とともにカエンがズシャッと倒れる。
しかし、まだカエンは完全に倒れてはいなかった。辛うじて立ち上がり、つらそうにその歩みを進めフィールドに戻るのだが、ミルタンクの「ころがる」攻撃はまだ続いていた。回転速度は先ほどよりも上がっているようだ。つまり、威力もおそらく・・・。
先ほどよりもスピードが上がった状態で、カエンに迫るミルタンク。そこで、カエンの特性が発動した。カエン――もとい、マグマラシの特性は「もうか」。ピンチの時に能力が上がるという特性だ。頭に燃える炎の威力が上がり、それ気付くセツナはすぐに「かえんぐるま」を指示した。この炎の威力なら、この「ころがる」に対抗できるかもしれないと思ったからだ。炎をまとい、大きな車輪となるカエン。そして、猛スピードで迫ってくるミルタンクに向かって勢いよく接触した。その時の接触音が凄まじく、激しい砂煙が立ちあがりジム全体を包み込んだ。その砂が目に入らないように、片腕でガードするセツナ。ちなみに、ルミコはスカートなので、砂煙が上がった風圧でスカートがめくれないようにし、なおかつ目をつぶってその場をやり過ごした。
砂煙が消え、目の前の景色がはっきり見えるようになってきた時、ガードしていた片腕をどける。すると、視界に入ったのはジムのフィールドの一部が変形した場所に、悠然と立つミルタンクの姿とカエンがぐったりと倒れている姿だった。慌ててカエンにより、両手で抱きあげる。そして、カバンの中から傷薬を出して、シュッと吹きかけたあとモンスターボールの中にしまった。「後でポケモンセンターに連れて行ってあげるからね。」と言葉を呟いてから。

「どや、うちのミルタンク強いやろ?まだまだいけるでぇ~!」

その言葉に答えるように、ミルタンクは「ミルミルゥ~!」と叫んだ。カエンと激しく激突したにもかかわらず、そのミルタンクの立ち姿はあまりにも悠然すぎていた。
バトルは1対1。使用ポケモンは2体ずつ。今の状況だとアカネもセツナも条件は同じだ。だがしかし、今のミルタンクを見るとどのポケモンを出しても、おそらくあの強烈な「ころがる」にしてやられてしまう。諦めて対策を練るか?いや、ここで諦めてどうする。まだ勝敗は決まったわけではない。ミルタンクだって、余裕を見せているがどこかしらダメージはあるはず。どこかにチャンスは必ずある。その思考を胸にとめ、セツナは次のポケモンを出した。出したポケモンは、バタフリーのピースケ。地面にいるとおそらく不利になると考え、飛行タイプを持つピースケを選んだのだ。「ころがる」さえ受けなければ、空中戦攻撃でこっちは有利。ちなみに飛行タイプに「ころがる」を出すと効果は抜群である。その理由は「ころがる」のタイプは「いわタイプ」だからだ。当たってしまえば最後、ピースケはすぐに戦闘不能になってしまうだろう。それを踏まえつつ、戦おうとしているのだ。

「ピースケ!かぜおこし!!」

―はいですぅ!―

勢いよく羽をはばたかせ、強風を起こしミルタンクを襲う。そして、「かぜおこし」をしたまま「どくのこな」を命じた、風の流れで粉をミルタンクに向け毒状態にするつもりである。風起こしをしながら毒の粉をまくが、アカネのミルタンクはそれだけではまだまだくたばらない。「まるくなる」を使い防御率を上げ「ころがる」を使う。これで「どくのこな」を回避しているのだ。自分が回転していれば、粉はおそらく寄りつかないとアカネは考えたのだ。ならばとこちらも指示を出す。ピースケに「ねんりき」を指示すると、目を光らせミルタンクを凝視する。すると、ミルタンクの体が浮きだしたのだ。ゆえに、ミルタンクの「ころがる」はそこでおさまる。そして、凝視していた目をギンッと光らせると、ミルタンクは壁に向かって吹っ飛んでいきそのまま壁に激突する。しかし、先ほどのカエンではないので、これだけではミルタンクはまだ倒れてはいなかった。瓦礫と砂埃を払い、まだまだ余裕の笑顔を見せる。アカネに「ころがる」を指示され、勢いよく転がり出す。しかし、空中にいるピースケにはおそらく当たらない。一体、何をしようというのだろうか?

「当たらんとでも思って安心してるのも今のうちやで~!ミルタンク!このフィールドの変形したとこ利用して空に舞い上がるんや!!」

「ミルミル~!」とミルタンクは返事をし、変形したフィールドをうまく使い、まるでジャンプ台でも使ったかのように、空中にいるピースケに飛んできた。その高さは、ピースケが今いる場所よりも高い位置だった。転がる状態から通常へかわり「そのまま『のしかかり』や!」という声に従い、落下するとともにピースケの上にのしかかってきた。体重の重いものは落ちる速度が速いため、すぐによけようとしたピースケだったが、そのまま「のしかかり」の餌食になってしまった。

―ズガァアアアアン!

大きな音を立てて、ミルタンクとピースケはフィールドに落下した。ミルタンクの下敷きになったピースケはぐったりとなり、気を失っていた。おそらく、これ以上戦うことは不可能である。つまり・・・。

「よっしゃぁ!うちが勝ったで~!」
「・・・・・・ッ。」

そう、セツナは敗北したのだ。それも、初めての敗北。トレーナーたちやジムリーダ達と戦い、これまで負ける事はなかった。しかし、いつ負けたっておかしくはないと思っていても過言ではないと考えていたのだが、いざ敗北を味わうとなるとかなりのショックを受けるだろう。
ミルタンクがピースケから退き、セツナはピースケをモンスターボールの中にしまった。顔は、下を向き俯いていた。そんな様子を、遠くからルミコは心配していた。

「物凄いバトルやったけど、残念やったなぁ・・・でも、また挑戦すればいいんやし♪」

そうアカネから言われたセツナは俯いたままだ。そして、何かを振りきるようにそのまま走り出し、ジムから出て行ってしまった。

「ちょ、セツナくん!まって~!・・・あ、一応私も後で挑戦するのでよろしく~!・・・もう!待ってってば~!」

ルミコはアカネにそう告げた後、セツナを追った。

「うち・・・やりすぎたんかな・・・?」



「ちょっと、待ってって言ってるじゃない!」

ルミコがあとから追いかける中、セツナは俯いたままポケモンセンターに一直線に走っていく。そして、中に入ってジョーイさんにカエンとピースケのモンスターボールを差しだす。かなりの重傷を受けたので、奥の治療室へとそのモンスターボールを持っていき、セツナも後についていく。もちろん、ルミコも一緒だ。
ジョーイさんは治療室の中へ入り、セツナとルミコは外で待機。中ではカエンとピースケの治療が行われ始めた。ジョーイさんだけではなく、一緒にラッキーも手伝っている。

「ねぇ・・・大丈夫?」
「・・・・・・。」

セツナは口を開こうとしない。よほどさっきの敗北がショックだったようだ。しかし先ほども言ったように、いつかはこうなる事はわかっていた。バトルをしていれば、負けることだって何度か体験する。そう思っていたのだが・・・。
治療室の中では、ジョーイさんとラッキーがせっせと治療を行っている。その様子を、セツナはじっと見つめている。
そしてしばらくの沈黙が続き、それを破ったのはルミコだった。

「あー・・・何かめんどくさい!セツナくん立って!!私がお手本見せてあげる!!」

そう言って強制的にセツナを立たせ、セツナを引っ張っていく。もちろん、ジョーイさんに一言告げてから。
セツナを引っ張り、ポケモンセンターから出るルミコ。多少セツナは機嫌が悪く、少し嫌がって掴まれている腕を振りほどこうとしたのだが、あまりにも強い力で握られていたため振りほどく事が出来なかった。その力加減を例えるならば「万力」。ものを挟み固定している時のような感じだ。実際そんな力は出していないものの、セツナにはそう感じたのかもしれないし、違う例えをしたのかもしれない。とにかく、それぐらい強く握られているという事は確かである。
ズンズンと歩き、先ほどのジムに辿り着く。中に入って複雑な(と言ってもそこまで複雑ではない)道を歩み進み、アカネのもとへとたどり着く。

「あれ?どないしたん?また挑戦しに来たんか?・・・ってか、さっきは悪かったなぁ・・・うちかてジムリーダやさかい、手加減するなんてできへんかったんよ・・・。」
「全然構わないですよ!それがポケモンバトルですからね!!」

ルミコがセツナの代わりにそういった。

「で、話戻すけど、挑戦しに来たんやろ?」
「もちろん!まぁ、挑戦するのは私だけどね!」
「そか!なら準備せな!配置について、ちょっと待ったってな!」

アカネはそう言って奥の部屋に行ってしまった。そしてセツナに、「しっかりと私のバトル見とくんだよ」と言葉を伝えた後配置についた。
ふとセツナは思った。「そういえば、ルミコさんのポケモン見せてもらったことないし、バトルも見たことないや」と。今まで高速のようにジムリーダーに勝利してきたのだ。きっと何かあるに違いないと思っていたので、今から見るバトルは、自分に参考になるようなバトルになるかもしれない。だから、ちゃんとこのバトルは見届けないといけない。そう思うと、少しだけショックから立ち直れたような気がした。

「お待たせ~!それじゃ、始めよっか!そっちからどうぞ!」
「おっけ~!じゃ・・・出ておいで、ファラス!」

ルミコはそう言って、半透明のカプセルに入ったモンスターボールを投げた。ポケモンが出てきた瞬間、何処から降ってきたのかわからない青い紙吹雪と、青白い煙がポケモンの周りを舞い、そして、その舞った紙吹雪と煙を消すように、両腕を勢いよく広げた。
見た事のないポケモンを目にしたセツナは、とっさにポケモン図鑑を出した。しかし、セツナのポケモン図鑑には登録されていないポケモンで、あのポケモンが何と言うポケモンなのかがわからなかった。
基本イメージカラーは青色で、犬が2本立ちしてまるで人間が立っているかのような姿。顔の目の位置にある黒い模様は、目が見えるように穴をあけた鉢巻をしているかのよう。このポケモンは一体・・・?

「な、何やそのポケモン!初めて見るポケモンやわ!・・・じゃない、次はうちやな!」

アカネもこのポケモンの事を知らないようで、かなり驚愕している。そして、慌てて自分もポケモンを出す。先ほどセツナと戦ったポケモンと同じ、ピッピをモンスターボールから出す。

「この子の事は、バトルが終わった後説明しますよ!」

そう言ってルミコは「ファラス」と名付けられたポケモンに「はどうだん」という技を指示した。ファラスは両手を近づけ後ろに退くようなポーズをとり、力を瞬間的にため、それをピッピに向かって放った。もちろんすぐに倒されるわけにもいかないアカネは、ピッピに回避の指示を出し、その指示に従って「はどうだん」を避けた。そして避けられた「はどうだん」は、地面に向かって直撃し大きな砂埃を上げ、ルミコはすぐに指示を出す。
今度は「はっけい」という技を指示した。大きく上がった砂埃を利用して、ファラスは素早くピッピに移動した。そのせいもあるのか、砂埃が移動した風圧により消え去りファラスはピッピの目の前に立ち、手をピッピに当たるすんでのところで止めた・・・その瞬間だった。ピッピは突然勢いよく吹っ飛んでしまったのだ。まるで、突き飛ばされたかのように。吹っ飛んでしまったピッピは壁に激突して気絶していた。どうやら戦闘不能のようだ。その間、戦闘が始まってわずか10秒ほど。ピッピに反撃されないまま、1勝してしまったのだ。
その様子を見て、対峙しているアカネも遠くで見ているセツナも驚きを隠せなかった。こんな力を持っているなんて、一体彼女は何者なんだというように。

「さぁ、アカネさん!驚いてないで、次行きますよ!」


続く・・・。
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