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【ポケモン小説「絆」】Story13:リベンジ、コガネジム!

ポケットモンスターハートゴールド・ソウルシルバー ―絆―
Story13:リベンジ、コガネジム!




目の前には見たこともないポケモン。図鑑で開いても、そのポケモンの情報が載る事はない。青くて獣人型のポケモンは、真剣なまなざしでただただ相手であるアカネを見据える。その瞳は、何かを読み取るかのよう。戦闘態勢で、アカネの思考を読み取っているのだろうか?
一方アカネは、未だにルミコの出したポケモンに驚いている。自分ですら見た事がないこの謎のポケモン。といっても、ジョウト地方から出たこともないので、見た事がないポケモンがいる事は承知の上だったが、まさかこんなにも早く今まで見た事のないポケモンに遭遇するなど、思ってもみなかったようだ。
驚きつつも、アカネは固唾をごくりと飲んだ。驚いたままでは、ジムリーダーとしては少し情けない姿をさらすだけである。2つ目のモンスターボールを手に取り、自慢のミルタンクを出して冷静さを取り戻す。

「見たことないポケモンでもかまわへん!どんなポケモンでもこの自慢のミルタンクでうちが勝ったるで~!」

アカネはそう意気込み、バトルを再開させるためミルタンクに指示を出した。指示した技は「のしかかり」。大きな体でルミコの出したポケモン――ファラスに素早く近付き、その勢いでジャンプをして落下する。ファラスはそのミルタンクを見上げ、自らの意思で立っている場所を離れ「のしかかり」を回避した。更に距離をとり、ルミコにアイコンタクトを送る。その間に、アカネも負けじと指示を出し、ミルタンクは「ころがる」を使ってきた。ファラスに迫るミルタンクだが、ファラスはそのころがるから遠く距離をとった。それと同時に、ルミコは「じしん」を指示した。ファラスは片足を高々と上げ、勢いよく下に向かってその足を振りおろした。地響きが鳴り、フィールド上が激しく揺れる。その揺れにより、ミルタンクはバランスを崩し「ころがる」の状態を維持出来なくなってしまった。そして、壁に激突してしまう。その隙を狙ったかのように、ルミコは「はどうだん」を指示した。早急に力をため、ためた力を追いうちをかけるように「はどうだん」を放ち、ミルタンクに直撃させた。激しく起こる砂埃、その砂埃が完全に晴れたとき、ミルタンクを目を回して気を失っていた。これ以上戦うことは不可能である。つまり、ルミコはアカネに勝利したのだ。たった1匹の、ファラスというニックネームの付いたポケモンだけで。

「そ、そんな・・・う、うそや!こんなの、こんなのってないわぁあああああ!!」

突然アカネは叫び、泣きだしてしまった。その様子に戸惑うルミコは、セツナに助けを求めるようなまなざしを向けた。「そんな目をしても僕にもわからない」というように、セツナは首を横に振る。

「あ~あ、アカネちゃん泣かせちゃった。」

ふと、ジム内にいるミニスカートの女の子がやってきた。彼女いわく、負けるといつも泣きだしてしまうらしく、しばらくすれば泣きやむとの事だった。こんなにも大声をあげて泣いてるアカネが、本当に泣きやむのだろうかと心配していたのだが、彼女が言うようにしばらく経ったら本当にアカネはピタリと泣きやんだ。といっても、未だ鼻をすすっているが。

「あ、あの・・・アカネさん、大丈夫ですか?」
「だ、大丈夫や・・・心配させてごめんな。」

涙によってふやけてしまった顔のまま、アカネは笑顔を振りまいた。本当に大丈夫なのだろうか?

「あ、そや、うちに勝ったしるしのレギュラーバッチやね。」

そういって、ポケットからレギュラーバッチを取り出してルミコに手渡し、さらに「わざマシン45」と書かれたディスクも渡してきた。中身は「メロメロ」で、オスならメスを、メスならオスを誘惑してメロメロにする。その状態になった相手は、技が出しにくくなるのだ。簡単にいえば、一目ぼれした相手にひどい事は出来ないと言ったところだろうか。

「そや、そういえば、さっきバトルが終わった後に、教えてくれるっていっとったね!さっきのポケモンが何なのか、教えてくれへんか?」

と、アカネはルミコが言った事を思い出し、先ほどのポケモンについて尋ねた。ルミコも「分かりました!」といって、説明を始めた。
ルミコが出した「ファラス」というニックネームのポケモンは、波動ポケモンのルカリオ。「かくとう」タイプと「はがね」タイプを持ったポケモンだ。あらゆるものが発する波動をキャッチする能力があり、人の言葉を理解する事が出来る。このルカリオは、ゲンという人物から貰ったポケモンだ。しかし、交換ではない。卵の状態でゲンからもらい、その卵がかえったのだ。といっても、卵からかえってそのままルカリオというわけではない。ルカリオには進化前があり、そのポケモンは波紋ポケモンのリオルという。体から発する波動は、怖い時悲しい時に強まり、ピンチを仲間に伝える事が出来るのだ。そのリオルを育てていった結果、ルカリオに進化して今に至るのである。

「この子、普段はせっかちですぐ私をせかそうとするんですよ~!」

とルミコが言うと、未だモンスターボールにしまっていないルカリオのファラスは、「そんなことわざわざ言わなくてもいのに!」と言っているかのような表情を作り少し怒りながらルミコのそばにズンズンと寄ってきた。

「あ、言っちゃだめだった?ごめんごめん。ま、でもバトルの時は抜け目ないように戦ってるけどね!戦力的に助かってるし♪」

言いながらルカリオの頭をなでると、少し恥ずかしそうにそっぽを向いた。わずかながら頬が赤い。主人のルミコの事が好きだという事がよくわかる。
そして、モンスターボールにしまいルミコはセツナに近付いた。

「どう?参考になったかな?次はセツナ君の番だよ!リベンジリベンジ!」

参考になったといえばなったかもしれないし、そうでもないような気もする。ジムリーダ相手に、これほど余裕を持って戦い、短時間でアカネに勝利してしまったし、正直どこを参考にしていいのかがわからなかった。言うならば、「ノーマル」タイプのポケモンに「かくとう」タイプのポケモンで対抗すればいいという事だろうか?しかし、「かくとう」タイプのポケモンは持ち合わせていないものの、格闘タイプの技を持ったポケモンがいる。コラッタのラトが持つ技、「いわくだき」だ。威力はさほど強くはないが、たまに防御力を下げる事が出来る。上手く下がってさえくれれば、勝てる可能性はあるかもしれない。
セツナは、頭に思考を何度も巡らせて、こういった。

「・・・僕、リベンジします!」

「1度負けた事が何だ!」と言わんばかりの表情をして、セツナはアカネの方を向き、真剣にそのまなざしを向けた。
そのまなざしを受けて、アカネもキリッとした表情になる。そして、しばらく見つめた後、普段通りの楽天的な表情に戻り、「リベンジか!受けて立とうやないの!」と力強く言った。

「でも、今までの強さだと思ったら大間違いやで!たくさん持ってる手持ちの中で一番強いポケモンだしたるからな!」

だったら何故そのポケモンを使わないのだろうかと問いたいが、そこは突っ込まないでおこうと2人は思った。

「それじゃ、配置について!すぐに始めるから!」
「あ、はい!」

アカネに促され、セツナは配置についた。
先行を譲られたので、カエンとピースケ以外のモンスターボールを握る。出したポケモンは、未だバトルに出した事のない、ギザ耳ピチューのエレナだ。まずはどれだけ強いのか試すのであろうか?

「可愛いポケモンやないか!しかも、耳がギザギザしとる♪・・・じゃない、最初はほんまににそれでOKなん?」
「はい、大丈夫です。」
「ほな、行くで・・・うちの手持ちで一番強いミルタンクや!」

ミルタンクばっかりだと突っ込みたいところだが、おそらくアカネはミルタンクが好きなのだろうと自己解決する事にした。
すると、突然アカネは「あ!そや!」と声を上げた。ルール説明をするのを忘れたらしい。
ルールは、アカネはこのミルタンク1匹だけで、セツナは2匹でいいという何とも理不尽なものだった。しかし、このミルタンクは恐ろしく強いらしく、挑戦しに来るトレーナー達に何度も勝ってきたのだとか。そんな理由で、1匹だけでいいとアカネは言うのだ。
確かにこのミルタンクは、今までよりも体が大きく凄まじい威圧感を感じさせる。戦ってすぐに勝てる相手ではなさそうだ。

「それじゃ、バトルスタートや!」
「僕から行きます!エレナ!『いばる』だ!」

エレナはその小さな体で、腰に手を当て「えっへん!」と言わんばかりの態度をとった。それを見たミルタンクは、そんな態度のエレナに腹を立てたのか、かなり怒っている様子だった。しかし、ただ怒っているわけではなかった。「いばる」は相手の攻撃力を通常から2段階にまで上げ、さらに混乱させるということだ。運が良ければ、普通に攻撃はできるかもしれないが、運が悪ければ自分にダメージを与える羽目となる。「いばる」とはそういう技なのだ。
ミルタンクは目を光らせながら混乱状態に陥り、叫んだり地面を走り回ったり壁にぶつかったりなどを繰り返していた。そんな状態になっているにもかかわらず、アカネは慌てもせず冷静な判断をとり、「ころがる」を指示した。運が良かったのか、ミルタンクは体を丸めその状態でエレナに急速に接近してきた。そして、そのまま避ける事が出来ずに激突してしまった。攻撃力が2段階上がった状態での「ころがる」の勢いは、とても激しいものだった。エレナの体が小さかったということもあるのか、激突した瞬間天井近くまで跳ね飛ばされてしまったのだ。落ちてきたところは、丁度セツナの立っている場所。思わずエレナをキャッチする。瀕死の状態にはなっていないものの、エレナはまだ戦えるという表情でミルタンクを見つめた。ミルタンクは未だ混乱状態だ。
セツナはエレナをゆっくりと地面におくと、息を切らして立っているのがやっとの状態になっていた。だが、視線をミルタンクから離さないでいる。やってみるしかないと思い、エレナにこう言った。

「『いたみわけ』だ!」

「いたみわけ」・・・それはお互いの体力を分かち合う技。体力が限界まで達しても、この技を使えば体力があり余っているポケモンと体力を分かち合い、少しでも戦える状態に出来るのだ。エレナは先ほど瀕死になりかけた状態だったのだが、「いたみわけ」をしたおかげで、体力が戻り少し元気になっていた。これならまだ戦える。そして、先ほど元気だったミルタンクは、少し疲れた状態になっていた。「いたみわけ」をしたせいで、ミルタンクはエレナと全く同じ状態になってしまっているのだ。つまり、体力が半分奪われたといってもいい。

「『いたみわけ』使ってくるなんて・・・可愛いポケモンなのに、いやらしい技もっとるんやな。せやけど、うちだって負けてなんかいられへんよ!」

そう言ってアカネはミルタンクを見る。すると、ミルタンクの混乱はとけていた。ちゃんとエレナを見据えている。

「攻撃力2段階上げてくれてありがとな!もう一度、「ころがる」や!」

ミルタンクはその指示を受け、まっすぐにエレナに突進してきた。こちらも負けられないため、エレナに「ボルテッカー」を指示した。
凄まじい電気に包まれたエレナは、その状態でこちらに向かってくるミルタンクに突進していった。その突進する加速は速くなり、エレナを包む電気の威力も大きくなった。そして、ミルタンクとエレナは激突した。その衝撃で砂煙が勢いよく発生し、フィールドを包む。そしてその砂煙から勢いよくエレナが飛び出してきた。不時着する前に、セツナはエレナをうまくキャッチすると、エレナは目を回して気絶していた。つまり、ミルタンクが勝利したというわけだ。やはり、簡単にはいきそうもないようだ。
エレナをモンスターボールにしまい、次のポケモンを出した。それはコラッタのラトだ。エレナ同様、体が小さいため攻撃力が2段階も上がったミルタンクに簡単にのされてしまう可能性がある。しかし、エレナのおかげでかなりの体力を減らした。勝てる可能性は高い。だが、体力を減らしてもミルタンクはおそらく立ち向かってくるだろう。先ほどのエレナとの戦いで見せつけられた強さから言うと、ギリギリの体力でも立ち向かってきそうな予感がした。まだまだ油断は禁物である。
ラトに「でんこうせっか」を指示し、ミルタンクに迫った。しかし、アカネの指示で避けられてしまう。それを読んだのかどうかは定かではないが、ラトは素早く方向を変えて、ミルタンクが避けた方向に進路を変えた。そして寸前の場所で急ブレーキをかけ、その勢いで高くジャンプをした。そのタイミングを見逃さないセツナは、ラトに「いわくだき」を指示させた。右前脚を振り上げ、落下とともに勢いよく振りおろし、ミルタンクに「いわくだき」をお見舞いさせた。かなりのダメージを受けたなと、セツナは思った。これで、防御力も下がっていればいいのだが、下がったとしてもおそらく「まるくなる」で防御力を上げてくるだろう。その思考が命中したのか、ミルタンクはアカネの指示により「まるくなる」を使った。なかなか勝負を決めさせてはくれないようだ。

「ラト!同じ場所に何度も『いわくだき』をするんだ!!」

―了解しました、ご主人様!―

ラトはそう言って、素早い動きで丸くなった状態のミルタンクに、何度も同じ場所に「いわくだき」を当てた。これならば身動きが取れないだろう。何度も繰り返される「いわくだき」に対し、ミルタンクはアカネの指示を受けてもなかなか動く事が出来なかった。そのラトの俊敏な速さに、ミルタンクはついていけなくなってしまったのだ。そして、ミルタンクの「まるくなる」の状態が解除され、地面にあおむけの状態で倒れた。しかし、まだ動ける様子だった。どこまでタフなんだと思いながらも、今がチャンスだと判断し「いわくだき」で最後の一撃を、ミルタンクにお見舞いした。防御のとけてしまったミルタンクに、もはや防御する手段もなく、避けることなくラトの「いわくだき」を猛烈に受けた。そして、ラトは攻撃を終えたというように、ミルタンクから距離をとり様子を見つめた。しかし、起きる様子はこれっぽっちもなかった。何故なら、ミルタンクは目を回して気絶していたからである。つまり、セツナはアカネに勝利したのだ。
アカネは戦闘不能だと察して、ミルタンクをモンスターボールにしまった。泣きそうになる自分をこらえてセツナに近付いた。

「うちの負けや・・・。」
「って事は・・・?」
「みて分かるやるろ?えと、えと・・・名前何やったけ?」

そういえば、今までずっと名を名乗っていない事に気が付いた一同。そして改めて全員は自己紹介をした。

「とりあえず、セツナ!うちに勝利したんや!大いに喜んでええんよ!そして、勝利の証、レギュラーバッチや。」

そういってアカネは涙目で無理に笑顔を作りながら、バッジをセツナに手渡した。本当に今にも泣き出してしまいそうだ。それを必死にこらえているのがよくわかる。

「あ、えっと・・・泣いてもいいと思います。」
「え、ほんま?じゃ、お言葉に甘えて、ちょっと泣くわ・・・。」

そういうなり、アカネは泣きだした。「また負けたぁああ!」や「一番のお気に入りやったのにぃい!!」などなど、愚痴をこぼしながらしばらく泣きじゃくっていた。少し大人げない。
数分後、ようやく泣きやみ「ふう、泣いたらスッキリしたわ!」と、さっき泣いていた姿がウソのように表情が明るくなった。これはアカネの、特技なのだろうか?

「いい勝負させてもらって、うちもいい経験になったわ!」
「あ、こちらもいい経験になりました。ありがとうございます。」

と会話をしていると、未だ外に出ているラトがもぞもぞと体を動かし始めた。そして、体が白銀に輝きだす。進化が始まったのだ。小さな体だったラトの姿は、だんだん大きくなりそして姿を変えていく。そして、白銀の輝きがおさまると、ラトは完全な進化を遂げた。紫色の毛並みから、茶色でふさふさとした毛並みに変わり、前歯は進化前よりも鋭いものになっていた。みるからにして、とても頼もしそうな姿をしていると、セツナは思った。
ふと、図鑑を取り出して、その説明を見る。

No.018 ラッタ
ねずみポケモン
ノーマル
たかさ 0.7m
おもさ 18.5kg

かたい キバで なんでも かじる。
コンクリートで できた ビルすら
かじって たおしてしまう。

「ラトの歯って、物凄いんだね・・・。」

―実際どうだかは知りませんけど、おそらくそうなのですよ、きっと。―

「あ、そうなんだ。」

そう会話をした後、セツナはラトをモンスターボールの中にしまった。
そんな様子をアカネが不思議そうに見ていた。そこに、セツナはポケモンと会話できる事を教えると、アカネは大いに驚いた。まるで、鳩が豆鉄砲をくらったかのように。

「あ、ならうちのポケモンとも話せるん?」
「いえ、どうやら自分のポケモンとじゃないと無理みたいなんです。」
「そうかぁ・・・それは残念や・・・ま、とにかく、今日はほんまによかったわ!セツナにルミコ、よかったらまた遊びに来たってな!」

アカネの言葉に、2人はそろって「はい!」と言ってから、別れの挨拶をしてジムを出て行った。

「そういえば、あのルミコって子・・・どっかで見たことあるんやけどなぁ・・・まぁ、いっか!」



ジムを出た後、すぐに向かったのはポケモンセンターだ。集中治療室で治療を受けているカエンとピースケを迎えに行くためだ。
ポケモンセンターに入り奥に入っていくと、向こうから歩いてくるジョーイさんとその助手のラッキーに出会う。

「あら、あなたはさっきの・・・。」
「あの、あの・・・!」
「慌てなくていいわよ、ちゃんと元気になったから。」
「ほ、ホントですか!?」
「えぇ、もうすぐこっちに来るころよ。」

そういったジョーイさんの後から、マグマラシのカエン、バタフリーのピースケがやってきた。すると、2匹はセツナの姿を見た瞬間に、嬉しそうに飛びついてきた。

「カエン!ピースケ!もう元気になったんだね!よかったぁ!」

―ジョーイさんとラッキーのおかげだよ!―

―そうです!ジョーイさん、ラッキーさん、ありがとうございます~!―

と、2匹はジョーイさんとラッキーの方に向き、礼儀正しく頭を下げた。そんな2匹を見て、セツナもつられるようにお礼の言葉を言いながらお辞儀をした。

「いえいえ、傷付いたポケモンたちを治療するのが私の役目ですからね!」

そう言って、笑顔を振りまいた。それが、素の笑顔なのか営業スマイルなのかどうかは定かではないが。
そして、セツナはアカネに勝利した事を伝え、さらにラトがコラッタからラッタへと進化を遂げたことも伝えると、カエンもピースケも一緒に喜んでくれた。
カエンだけを残しピースケをモンスターボールに戻したあと、もう一度ジョーイさんとラッキーの方へと向き直り、改めてお礼の言葉を言った後、ポケモンセンターを出て行った。
すると、母親から電話がかかってきた。一体何事だろうか?

『もしもし、セツナ?』

「な、何、お母さん?」

『今日買い物に行って、いいものが売ってたからセツナのお金で買っちゃった。』

「えぇえええ!!何で僕のお金で使うのさぁ!!」

『あ、でも、きっとセツナに役立つものだから、近くのフレンドリーショップにいって支配人さんにもらってね!』

「あ、うん。わかったよ・・・。」

そういって、セツナは電話を切る。ルミコが、今の会話を聞いて大体話の内容を分かった上で尋ねてきたので、今の会話の説明をした。

「まぁ、コガネデパートに行こうよ!セツナのために買ってくれたんだし♪」
「あ、うん・・・。」

「役に立たないものだったら、きっと買い損だなぁ」などと思いながらも、セツナとルミコ、そしてカエンは、ポケモンセンターから500mほど離れた場所にあるコガネデパートに向かい中に入る。すると、入口から5~6m離れたカウンターの近くに、オレンジ色の服を着た支配人らしき人がそこに立っていたので、恐る恐る話しかけてみることにした。

「あ、あの~・・・。」
「こんにちは、セツナさんですね。」
「あ、はい、そうです。」
「お母さんからのお届けものです。こちらをどうぞ!」

といって、支配人は何かの小さな箱をセツナに渡し、「またのご利用、お待ちしております。」と見るからに営業スマイルをして言った。
しかし、この箱一体何が入っているのだろうか?箱のふたには「ビアーのみ×5」と書かれていた。「ビアーの実?何それ?」というように疑問に思っていると、横でルミコがその実の説明をしだした。
ビアーの実は、ポケモンに持たせると効果抜群の「どくタイプ」を受けたときに威力が弱まるのだとか。しかし、今必要なのだろうか?確かに、今後役に立つかもしれないが、毒タイプを受けて効果抜群になると思われるポケモンは、今の手持ちに存在しない。しかも5個もあるとは・・・この先使い道がないかもしれないが、とりあえず、カバンの「きのみポケット」にビアーの実をしまった。
そして、コガネデパートから出ると「そういえば」と何かを思いだした。それは、コガネジムの隣に建てられたお花屋さんのでの出来事だ。36番道路に水をかけると踊りだす不思議な木が立っているので、自分の代わりに見て来てほしいと言ってきたのだが、コガネのジムバッジがなければじょうろを貸す事は出来ないといって、お願いをキャンセルされてしまったのだ。なので、今行けばじょうろを貸してくれるかもしれないと思い、そのお花屋さん――フラワーショップコガネへと足お運んだ。

「あら、あなたたちはさっきの・・・まさか・・・?」
「アカネさんに勝ってきました。」

といって、お花屋さんの店員にレギュラーバッジを見せた。

「あら、それはコガネのジムバッジ!ホントにアカネちゃんに勝ったみたいね!だったら心配はなさそうね!じゃ、このゼニガメじょうろを貸して・・・うぅん、あげちゃうわ!」
「え、いいんですか!?」
「えぇ、だって、あのアカネちゃんに勝ってきたんだもの♪・・・ということで、よろしくね!不思議な木が生えてるのは36番道路よ。くれぐれも気を付けてね!」

店員に言われ快く引き受けた2人は、すぐにでも36番道路へと出向こうとしたのだが・・・。

「コガネはやっぱ広いし、もうちょっと探索していこうよ!」
「え、えぇ・・・。」

ルミコの発言で、もうしばらくコガネに居座る羽目となってしまったのであった。



―ピリリリリ・・・ピリリリリ・・・

アカネの持っているポケギアが鳴り響く。誰かから電話が来ている。
それを確認せずに、アカネはポケギアの通話ボタンを押して電話に出た。

「はい、もしもし、コガネジムのアカネちゃんやで~!」

『アカネか?話したい事がある。』

声の主は、キキョウシティのハヤトだった。多少慌てたような話し方をしている。

「何や、ハヤトやないかぁ・・・で、話したい事って何なん?」

『そっちにルミコって女の子が来なかったか?』

「来たで~!そのルミコの挑戦受けたけど、全然勝たれへんかったわ~!」

『だろうな・・・。』

ハヤトは、ルミコの事を知っているかのようなそぶりをした。電話越しだから、そのそぶりは全く見えないのだが、声で判断できるほどの言い方であった。

「何やその言い方?あ、もしかして、あのルミコって子がどんな子か知っとるんか?うち、どっかで見たことあると思ってるんやけど、全然思い出せへんのや・・・。」

『そうか、なら教えておく必要があるな・・・。』

「何や、あのルミコって子は?」

『あぁ・・・彼女は・・・。』

ハヤトは一段落置いてから、アカネにルミコがどんな人物であるかを話した。それを聞いたアカネは、驚きと納得が含まれたような表情をして声を上げた。

『アカネ、声上げすぎ。耳が痛くなる。』

「あ、ごめんな~つい・・・でも、これでうちが勝てなかった理由がわかったわ。で、他のジムリーダーにも伝えてあるん?」

『いや、まだだ。お前のところに彼女が来ているだろうと思って、最初に掛けたんだ。他のやつらにも伝えるつもりだ。』

「いや、そこは伝えん方が面白いかもしれへんよ。」

アカネは悪戯っぽい表情を作ってそう言った。

『・・・まぁ、いずれわかる事だしな、黙ったままも面白いかもしれない。』

「そやろ?じゃ、2人だけの秘密って事で!」

『何か言い方が・・・。』

「気にしない気にしない!じゃ、また何かあったら電話するわ~!」

『わ、分かった・・・。』

ハヤトのその返事を聞き、アカネは通話終了ボタンを押して電話を切った。

「フフフ・・・面白い事になってきたで~・・・あ、でも、マツバにすぐにばれそうな気がするなぁ・・・ま、何とかなるか!」

言いながら、アカネは自室へと戻って行った。
その頃話題にあげられたルミコは、セツナをひっぱりまわしてコガネ中を探索して回っていた。
そんな彼女は、一体何者なのだろうか?
セツナがその正体を知るのは、まだまだ先のお話だ・・・。


続く。
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