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【ポケモン小説「絆」】Story14:ポケスロン。

ポケットモンスターハートゴールド・ソウルシルバー ―絆―
Story14:ポケスロン。




ルミコはいやというほど、セツナをひっぱりまわした。モンスターボールから出ているカエンもついて行くのがやっとで、ずっと走りっぱなしの状態だった。そんなことも気にせず、ルミコは「あっち行こう!」や「次はこっち!」などと言って、まるで全く疲れを感じることのないロボットのように、連れまわしながら走っている。
コガネシティは本当にとても広く、一日ですべてを回れないぐらい広かった。コガネデパートやラジオ塔はもちろん、姓名判断師の家やカントー地方とジョウト地方を行き来できるリニアなどなど・・・。
姓名判断師の家は、その名の通り、自分の手持ちのポケモンの名前を占ってくれる場所。今のニックネームがいまいちだと思った時に、この家の人が占って新たにニックネームを付けてくれるのだとか。しかも、そのニックネームは必ず占ってもらう人が気に入るものを付けてくれる。とても信用できるところだ。
リニアは現在調整中のようで、まだ動いてはいなかった。駅員さんは「電車が来ない!」といいながらうなだれていた。そして、自分でお客を背負って行くしかないといったが、あまりにも無謀な事を言ったので「そりゃ無理か」といって再びうなだれていた。しかし、駅員がうなだれるほど電車が来ないとなると、カントー地方の方で何かあっているのだろうか?
そして、もう一度地下通路にやってきた。コインケースを探しに来た時は、それほど探索はしていなかったためか、今度はじっくりと探索する事にした。地下通路の中はやはり特にと言ったものがない。細い通路があり、その通路を進むと行き止まり。怪しげな扉が左側の壁に1つあるだけだ。その横には「立ち入り禁止!」という張り紙があった。立ち入り禁止と言っても、押しても引いてもびくともしないこの扉を、どうやってあけるものかと小一時間問いたい。よく見ると、カードを差し込むところがあった。どうやら、カードキーでこの扉は開くようだ。それを探そうにも、心当たりなどないので他の場所を探索する事に。
小さなカウンターのようなものを3つ過ぎたところに、広い空間があった。そこには、すでにセット完了されていつでも写真が撮れる状態にしたカメラが1台置いてあった。そして、その先にはカウンター。左側に麦わら帽子をかぶった、ちょっと太ったおじさん。右側には髪が少なくなって、おでこと一体化したような頭になっているおじさんが立っていた。近寄ってみると、右側のおじさんが話しかけてきた。ここの広いスペースは、記念写真スタジオらしい。しかし、ただの記念写真ではないらしく、ロケット団の格好をして写真が撮れるのだとか。ロケット団と言えば、人のポケモンを盗んだり、野生のポケモンたちを悪用したりする軍団。正直、そんな奴らの格好をして写真を撮るのも気が引けるのだが、ルミコが調子に乗って「写真撮ってみようよ!」などと言ったせいで、強制的に写真を撮る羽目となった。撮った写真はパソコンで見られるようで、後々確認すると結構なほど似合っている事に気が付かされるのであった。
左側のおじさんは、少し女性のような口調をして話しかけ、ポケモンをドレスアップしてみないかと尋ねてきた。とは言ったものの、ドレスアップと言ってもどうしたらいいのかさっぱりで、説明を聞いてみる事にした。ドレスアップは、自分の持ってるアクセサリー入れに入っているアイテムを使って、ポケモンたちに飾って行くのだ。壁紙も変えて雰囲気をよくできるとか何とか。説明してもらったはいいものの、アクセサリー入れに入っているものは「きいろいわたげ」、「オレンジのわたげ」、「はいいろのわたげ」だけだ。少しうなだれたが、奥の部屋でアクセサリーのくじびきをやっている人がいるとのことで、入ってみることにした。中には写真を飾る額縁が、たくさん壁にかけてあった。誰かがこの地下に来て、ドレスアップすればこの部屋に飾られるという事なのだろうか?
ふと真正面を見ると、カウンターの左側にいたおじさんと全く同じ人が立っていた。他人の空似?それとも双子?どうでもいい事は考えずに話しかけてみると、どうやらこの人がくじをやっている人だった。ちなみに、1回100円である。さっそくくじをやり、何度も当たりくじを引くセツナ。手に入れたアイテムは、「きぬのベール」、「まっかなかみどめ」、「シルクハット」、「ヘッドドレス」、「カラフルパラソル」、「ふわふわベッド」、「カーペット」、「おおきいき」である。見るからにしていいものばかりがそろったが、持っている壁紙が少ないため結局ドレスアップする事をあきらめてしまった。
地下通路を出て、ようやく探索が終わりかと思ったが、再びセツナはルミコに引っ張られていく。何処に行くのかと思えばただの民家。このコガネシティに、「マサキ」という人物が来ているのだとか。それはいったい何者かと尋ねると、ポケモンの預かりシステムを作った人だとルミコは言った。何故それを知っているのかと問うと、何かのパンフレットを見たのだとか。とにもかくにも、ここの民家でマサキがいるかどうか尋ねてみると、エンジュシティの方に呼ばれて今はいないと言われてしまった。エンジュシティへ行くには35番道路と36番道路を通らなくてはならない。ちなみにその間には、自然公園とポケスロンドームと呼ばれるものがある。
自然公園は毎週火、木、土に虫取り大会が開かれている。自然公園に出てくるポケモンの中で、一番強そうなポケモンを捕まえた人が優勝するというもの。
ポケスロンドームは、どうやら最近できたものらしく一度行かないとわからないようだ。

「そうだ!不思議な木とかエンジュとかまだ急がなくていいしさ、いろいろイベントものはやっておこうよ!」
「え、でも・・・。」
「急がば回れ!善は急げとは言うけど、遠回りしたっていいじゃない?」

充分遠回りしてると思う。しかし、あえて口に出して言わない。
ひとまず、セツナとルミコは最近できたポケスロンドームに向かってみることにした。コガネシティから出るために、小さめのゲートを通り35番道路に出る。少し進んだところから、何人かのトレーナーとバトルをこなした。苦戦したりしなかったりの繰り返しが続いたが、基本は勝ち進んでいたといってもいいだろう。キャンプボーイとキャンプガールが隣同士で並んでいるため、もしかしてダブルバトルなのか?とも思ったが、そうでもなかったトレーナがいたり、バトルが終わった後電話番号を登録しようと誘ってきたトレーナなどがいた。
そうしている間に横に長い建物に着いた。建物の前にある看板には、

↑きた しぜんこうえん
←にし ポケスロンドーム

と、記されていた。
建物の中に入ると、外から見たとおり横に広い空間だった。そこにカウンターがあり、係員が立っている。話しかけると西の方に手を向けて「こちらはポケスロン会場入り口ゲートになります」と言った。

「あの、こっちの方は何がやってるんですか?」

と、セツナは北の方に指を刺して尋ねると、出入り口の方に立っている係員が、「虫取り大会の会場となります」と答えてくれた。そして、どうやら今日は木曜日だそうなので、虫取り大会に参加してみないかと尋ねられた。後で参加させてもらいますと断り、ポケスロンドームの方に足を運んで行った。外に出ると、黄色い絨毯のような通路が目に入った。その先には、鉄骨はステンレス製で覆う屋根はプラスチック製のトンネルがあった。そして、さらにその先がポケスロンドーム。遠くの方で見ているので、どんなドームなのかいまいちわからないが、言える事は目立つドームだということだ。
すると、近くにニョロボンを連れた男性が、こちらの存在に気付き近付いてきた。そして、セツナの顔をまじまじと見る。

「むむん!・・・・・・ほほぅ。わかる!わかるぞぉー!その目の輝き!それは優勝の輝き!!ポケスロンに参加する資格がありありじゃよ!」
「え、あ、は、はぁ・・・。」
「何より、お主とポケモンとの信頼!可能性を!感じさせてくれるじゃないか!・・・よし!わしについてきたまえ!」

と、その男性はドームの方へと歩いて行ってしまう。何だかおかしな人だと思いながらも、2人はその男性について行った。黄色の通路を歩き、トンネルを抜けるとポケスロンドームに辿り着く。遠くで見たときと、間近で見たときの迫力がまるで違った。入口の扉はガラス製の引き戸。その上に、ポケスロンの象徴であるマークが掲げられていた。金色が太陽の光に照らされて、正直まぶしい。

「どうだ?これがポケスロン会場じゃ!ポケモンとトレーナーとのスポーツの祭典ポケスロン!スタジアムの中では、スポーツを通じて、ポケモンとトレーナーの友情が試されるのだ!ぜひ、お主も参加してくれたまえ!」
「あ、はい、わかりました。」
「いやぁーしかし驚いた!何と嬉しいサプライズだ!こんないいポケスリートがわしの前に現れるとは!」

驚いたのはこっちのほうです。しかし、毎度のごとく口に出しては言わない。

「ジョウト地方でポケスロンを開催してよかったー!」
「えと、失礼ですけど、あなたは一体・・・?」
「お、すまんかったな。わしの名前はコブシ!お主とはまたどこかで会うことになるだろう。それじゃまたな、若きポケスリートよ!」

コブシと名乗った男性は、ニョロボンを連れてポケスロンドームの中に入って行ってしまった。最後に、ニョロボンが何が言いたげなそぶりをしながら振り向いたが、一体何を言おうとしたのだろうか?

「ねぇねぇ、何か面白そうだし、参加してみない?」
「え、でもなぁ・・・。」
「自信がないとでもいうの?自信とかそんなのなくたっていいじゃない。初めて出場するんだし、優勝してもしなくても頑張ればいいって事♪そうでしょ?」
「ま、まぁね。」
「ようし!参加決定ね!」

ルミコは満面な笑顔でいい、セツナをドームの中に引っ張って行った。中に入ると、床が真っ黒だった。しかしそれを補うかのように、床にライトが埋め込まれていて、イルミネーションのように輝いていた。何本か立っているオブジェもイルミネーションのように輝いている。もちろん天井にもライトがあるため、この部屋が真っ暗になっている事はない。
前方に見えるカウンターに向かって走っていくと、「あ、セツナにルミコやないか!」と聞き覚えのある声が聞こえてきた。その声と、独特なしゃべり方で、その人物がすぐにアカネだと気付き振り向く。

「もしかして、ポケスロンに参加しに来たん?」
「え、えと・・・。」
「そうですよ、アカネさん!」

アカネの問いに、セツナではなくルミコが代わりに答えた。しかも、セツナの言葉を遮って。

「そうかぁ~!うちもコガネの近くにこんなんできたから、ウズウズして飛んできたわー!」
「ってことは、アカネさんも参加するんですね!」
「そのとおりや!参加して優勝するんや!・・・でも、あんたら、そんなんで参加する気?」
「え?」
「参加するならちゃんと準備せな!」

準備とは一体何なのだろうか?ポケモンを連れてくればそれでいいはずなのだが・・・。

「で、あんたら、MとSどっち?」

主語がないので一瞬、マゾなのかサドなのかを聞いてきているものかと思ったが、そんな事はあり得ないのでおそらく服のサイズの事だろうと悟った。

「どちらかというと、2人ともMっぽいな?・・・よっしゃ!サイズに合わせたポケスロン用のジャージ持って来たるわ!」
「え、いいんですか?」
「ええよ!ポケスロンに参加するなら、かっこいい服着て出たいやろ!?ちょっと待っててな!」

といって、アカネはどこかに行ってしまう。
・・・待つこと数分。アカネは「うん!これがぴったりやろ!」といいながら、赤いジャージと青いジャージを持ってきた。そして、赤いジャージをルミコに、青いジャージをセツナに渡した。

「これで準備万端、バッチリOKやな!」
「そうですね♪このジャージもなんか丈夫そうだし♪これで、胸張って出場できるね!」
「でもルミコさん・・・競技をするのはポケモンだよ・・・。」

セツナがさりげなく突っ込みを入れたが、気が付いてもらえなかった。

「ほなうちも!・・・って、ポケモン忘れてきてるやん!」
「ポケモン忘れるとかどんだけですかアカネさん!」
「まぁまぁ!人間忘れる事は何度もあるじゃない!でしょ、アカネさん?」
「そやな!んじゃ、2人とも頑張ってな~!バイバーイ!」

アカネは手を振りながら、ドームから出て行った。

「よし、いよいよエントリーだよ!セツナ君!」
「え、あ、うん・・・何だか緊張するなぁ・・・。」

言いながらカウンターに近付き、立っている女性に話しかける。

「ようこそ、こちらポケスロン参加受付です。どのコースに参加してみますか?」

といって、コース名が書かれたパウチを出してきた。そこには、スピードコース、パワーコース、テクニックコース、スタミナコース、ジャンプコースと書かれていた。各コースの説明を聞くため、尋ねてみる。
スピードコースは、素早さが求められる競技を3つを集めたコース。パワーコースは、力強さが求められる競技を3つ集めたコース。テクニックコースは、器用さを求められる競技を3つ集めたコース。スタミナコースは、体力が求められる競技を3つ集めたコース。ジャンプコースは、ジャンプ力が求められる競技を3つ集めたコース。どれも難しそうな競技だが、やりがいがあるコースだということは間違いないだろう。
セツナは手持ちの状態を見てみた。スピードというわけでもなくパワーという事でもない。テクニックでもスタミナでもなさそうだ。考えられるのはジャンプしかなかった。

「えと、ジャンプコースでお願いします。」
「じゃ、私は違うコースで、パワーにします♪」
「ジャンプコースと、パワーコースですね?かしこまりました。出場させるポケモンを3匹選んでください。残りのポケモンはこちらでお預かりいたします。」

そう言われたので、セツナはジャンプコースに適応していそうな手持ちを選び出した。出場させるポケモンはボックスからでも選べるのだが、セツナのボックスには色違いのピチューとアンノーンのビィだけだ。だから、手持ちの中で考えるしかないのだ。
しばらく考えた結果、セツナはカエンとピースケとチックを出場させることに決めた。ルミコの方はすでに決まっていて、いつの間にかジャージに着替えていた。慌ててセツナも、更衣室を借りてジャージに着替えた。

「ポケスロンはすぐに始まります。チームカラーは赤です。それでは、頑張ってください!」

その女性にそう言われ、セツナとルミコは奥に進み、コースが違うので途中で二手に分かれた。
そして、ポケモン3匹を連れて歩き会場内へと入る。そこにはとても広々とした空間が見られた。観客が見やすいように、4つのポイントボードが設置された大きな壁。下の台には、タンクトップのお兄さん。そして、今いるこの場所には、自分以外の3組の出場者。おそらくルミコの方もこうなっているのだろう。
そうやってあたりを見まわと、スタンドマイクの前にタンクトップのお兄さんが近付き話し始めた。

「ポケスロンにようこそ!今回はジャンプコース。輝く勝利は誰の手に・・・・・・!?」

この言葉で誰もが「自分が優勝するんだ」と思ったに違いない。

「それでは選手紹介!ハードルなら任せろ!ハードルを最も愛するポケスリート!チームセツナのカエン、ピースケ、チック!」

初めて出場するのに「ハードルなら任せろ」だなんて、何て事を言うんだこのお兄さんは。そう思いながらも、観客に笑顔を振りまいたり、両手を振ったりした。初出場なのか、声援が少ない。仕方ないと思いつつ、次の選手の紹介を待つ。

「私たちはまだまだこれから!どこまでだって飛んで行って見せる!チームアミのブビィ、ムチュール、エレキッド!」

空を飛べそうなポケモンには全く見えないが、体重の軽いポケモンを連れてきたという事はかなりの自信があるようだ。声援はまぁまぁである。

「何でそこまで跳ねるのか!?跳ねることしかできないからさ。チームミノハルのコイキング、トサキント、テッポウオ!」

あまりにもひどい紹介だ。しかし、観客から笑いが出る。紹介の通り、ミノハルが連れてるポケモンは、「はねる」を使えるポケモンばかり。おそらく、それが理由でこういう紹介をされているに違いない。声援についてはアミのチームと同等の物。

「息をするように空を駆ける!それは俺にとって自然な事。チームノブのホーホー、ゴルバット、ポポッコ!」

今までの中で、一番声援が多かった。ノブという人物は、おそらくほとんどのコースに優勝してきたに違いない。ポケモンたちも、見る限りでは他のチームとは違って見えた。何か、とてつもないオーラを感じる。こんな人がいるのに勝てるわけがない。そう思ったのだが、やる前から諦めるなんて情けないと思い、何かを振り払うかのように首を振った後、気合を入れるために両手で顔をパシッと叩いた。

「それでは開催します!一番目指して、レッツー・・・ポケスロン!!」

お兄さんの掛け声で、観客の声援が激しく上がる。そして、競技が開始される。
セツナとほかの出演者は、ポケモンを連れて第1競技目を行うための場所、ジャンプドームへと足を運んだ。
ジャンプドームで行われる第1競技目は、バウンドフィールド。競技ルールは「光るランプをジャンプで狙え!」である。3匹のポケモンたちに同時に指示を出し、ジャンプをしながら光るランプに触る競技。一度のジャンプでたくさんのランプに障ると高得点が得られるのだ。
その説明をお兄さんがしている間に、全員は配置につく。ポケモンたちは個別の大きなトランポリンのような場所に乗った。そのトランポリンがある上の方には、たくさんのランプが設置されていた。あれに触れると、得点が得られるようになっているのだ。
お兄さんは説明を終え、全員が配置についた事を確認し開始の合図をしようと話を切り替える。

「準備はいいかな~?それでは、3、2、1、GO!!」

この掛け声で競技は開始された。トランポリンを駆使し、ランプに触れて得点を稼いでいく。セツナや他の人たちも必死に3匹に指示をしていく。「もっと高く!」や「こう飛べば高得点だ!」などなど、かなりの必死さがうかがえる。といっても、一番必死なのはトレーナーたちのポケモンだ。何度も飛び交う指示の数、ジャンプしてライトに触れる事だけで必死なのに、トレーナーの指示を聞く暇がない。しかし、指示がなければジャンプした時にポケモン同士がぶつかってしまうのも事実だ。ポケモン同士を接触させないため、なおかつ上手くたくさんのライトに触れるようになっているのは、指示をちゃんと聞いている証拠だ。周りを見る暇などないが、観客側からみているとするならポケモン同士ぶつかっているチームがちらほらと。もちろん、セツナのチームも例外ではない。ちゃんと指示をしているつもりなのだが、どうしてもぶつかってしまう。初出場なわけだから仕方のないのだが、それでもたくさんの点を取っている事は間違いないようだ。
タイムアップまであと10秒。ラストスパートがかかる。何度何度もジャンプをして、点灯しているライトに触れて点数を取って行った。そして、タイムアップの音が鳴った。それと同時に、ポケモンたちはジャンプするのをやめ地上に降りた。
セツナのチームが取った点数は422点。初めて参加した割には結構な数字である。しかし、周りがどんな点数か気になるところである。

「さぁ!1競技の結果は!?」

下から順に表示されるチーム名。この競技で1位になったチームは・・・

「セツナチーム!1位おめでとう!!」

まさかの1位。初出場なのに、1位になるとは思いもよらなかった。しかし、後2競技のこっているまだまだ勝敗は分からない。ちなみに、この競技成績から120ポイントを獲得した。

「1競技目が終わりました!さぁこれからが本番です!」

その言葉とともに、全員はまた違う場所に移動した。
第2競技目はキャッチソーサー。場所は砂浜ドームだ。高さは2~3mほどあるステージがあり、そこには1~5の数字が書かれている。キャッチソーサーは、海から飛んでくるソーサーをジャンプでキャッチする競技。ステージの後ろで撮るほど高得点が得られるのだ。しかし、一番後ろの「5」の範囲はとてもせまく、他のポケモンたちに押されて落ちてしまう可能性がある。高得点をとれる事は間違いないが、取れない場合は地面へ落ちてしまう。地面に墜落しないためにも、トレーナーの援助は必須だ。墜落する前にモンスターボールの中へしまい、もう一度ステージの方へと戻すのだ。
そうやって説明している間に、すべてのチームのポケモンはステージへあがったようだ。そして、またお兄さんの掛け声により競技はスタートする。
飛んでくるソーサーを「5」の場所でキャッチしようと、ポケモンたちが集まる。何匹か、他のポケモンに押され落ちてしまっていた。落ちないために、広々とした場所でソーサーをキャッチするポケモンも見受けられる。点数は低くとも、安全に点数を稼げる。「塵も積もれば山となる」とはこういうことだ。
セツナのチームは高得点を狙おうと「5」の場所に移動はするものの、なかなか点数は取れずにいるが、地道に点数は稼いでいるようだ。
そして、タイムアップの合図が鳴る。セツナが撮った点数は20点だ。なかなか難しい競技であった。

「さぁ!2競技の結果は!?・・・セツナチーム!1位おめでとう!!」

またしても1位をとってしまった。何故だろう。
セツナはこの競技成績から103ポイントを獲得した。

「会場も盛り上がってきた!ついに最終競技です!!」

お兄さんの言葉で、最後の競技ダッシュハードルをするための場所、トラックドームに移動した。
ダッシュハードルは、ゴールまでのタイムを競う競技。ハードルをジャンプで飛び越え、いち早くゴールを目指す。3匹の合計秒で、ポイントが決まるのだ。簡単にいえば、人間で言うハードル走だ。ちなみに、ハードルのギリギリの位置で飛ぶと、加速する事が出来る。しかし、スピードだけがあればいいわけではない。ジャンプしすぎると、次のハードルをジャンプするタイミングを失って激突してしまい、減速してしまうのである。コースの方をよく見ると、ハードルはどのコースも変則的な置き方をしていた。2つ続いて置かれていたり、ハードルとの間隔が広かったり狭かったり。簡単にジャンプして進めるようなハードルではない。だが、上手く飛び越えられたなら、いち早くゴールする事が可能である。
そうこう説明している間に、全員は配置についていた。準備は万端である。
そして、スタートの掛け声とともにポケモンたちは一斉に走り出した。変則的に配置されたハードルを何度も飛び越えていく。ギリギリの位置でジャンプをして加速するが、加速したせいで次のハードルを飛び越える事が出来ないものや、そのままハードルへ突っ込んでしまうものがちらほら。それでもポケモンたちは、ゴールへ一直線に走る。周りを見る暇なく、ただただゴール目指して。
必死にハードルを飛び越え走り抜けたが、自分たちは何番目でゴールしたのかは分からない。代わりに3匹の合計秒が表示された。セツナのチームの合計秒は108.2秒だ。このタイムが速いのかどうかはわからないが、他のチームの秒数が気になるところだ。

「さぁ!3競技の結果は!?・・・セツナチーム!1位おめでとう!!」

3競技とも1位になった、どういう事なのかさっぱり分からない。
ただ分かるのは、必死に競技をしていただけということだ。ちなみに、ここでの競技成績から106ポイントを獲得した。

「さぁそれでは、最終結果の発表です!はたしてどんな結果になったか?」

皆は最初にいた場所に戻り、グループごとに並ぶ。
そして、お兄さんはスタンドの前に立ち話しだす。

「選手の皆さん、お疲れ様でした。激闘を制したのはどのチームか、結果発表です!まずは・・・チャレンジ精神あふれるポケモンとチームに贈る、チャレンジボーナスです。」

そういうと、ポイントボードが点数を出しながら上に向かって動いて行った。
点数は、セツナチームが32ポイント、アミチームが44ポイント、ミノハルチームが40ポイント、ノブチームが39ポイントだった。このポイントの中で、一番点数が低いのは自分だなぁとセツナは思った。

「さぁ、続いて・・・ポイント王の発表です!セツナチームのチック!以上です!」

このポイントで20ポイントが入り、ポイントボードは52ポイントになった。
他のチームも、ボーナスポイントが追加されていった。

「最後に・・・競技のポイントが足されます!」

1競技目、2競技目、3競技目とポイントが追加され、ポイントボードは高く高く昇っていく。
そして・・・

「優勝は何と、381ポイント獲得・・・セツナチーム!」

「えぇええええ!?」と、声を上げそうになったがそこは抑える。確かにすべての競技は1位をとった。しかし、まさか優勝するとまでは思っていなかった。
優勝者に贈る歓声が、選手紹介の時よりも何十倍も多く、セツナは嬉しさがこみ上げてきた。その嬉しさをアピールしようと会場全体に両手を振る。カエン、チック、ピースケは同時にセツナに飛びついて、嬉しさをアピールしていた。この場合、いつもなら途中で睨み合ったりするが、今回ばかりは優勝した事が嬉しかったというので頭がいっぱいで、睨み合う事はなかった。

「ん?」

ふと観客席に目を凝らすと、そこにはルミコが。パワーコースに出場していたのではないのか?
疑問が頭によぎったが、後で質問する事にしようと決めた。

「セツナチームにはジャンプメダルが贈られます!おめでとうございます!見事な戦いっぷりでした!これからもポケスリートの頂点目指し、頑張ってください!というわけで、ポケスロン・・・フォーエバー!!」

素晴らしく大きくわき起こり続ける歓声とともに、選手全員は会場から退場した。更衣室で普段着に着替えて受付カウンターの外側へ戻る。そして、カエン以外のポケモンはモンスターボールにしまい、受付の人から預けたポケモンを返してもらった。

「お疲れさまでした!今回の得点を、スロンポイントへ変換します。今回のセツナ選手の得点は、381ポイント獲得です!更に今回は、優勝ボーナスとして100ポイント差し上げます。」
「あ、ありがとうざいます。」
「またの参加をお待ちしております。」

そして「ふぅ」と一息つき、ルミコがなぜ観客席にいたのかが気になった。これほどまで広いのだから、同時にやっていたのではないかと思っていた。しかし、あの観客席にはちゃっかりといた。どういう事だろうか?
うろうろしていると、上の階に行くエスカレーターを発見した。観客席へのエスカレータだと思い、それに乗って上に出る。降りたところから、長い通路を歩き外に出ると観客席に着いた。会場の中は、すでに違うコースの競技で賑わっていた。そしてそのコースに、必死にポケモンに指示を出しているルミコの姿と、その指示をしっかり聞いて頑張っているポケモンたちの姿が見えた。使っているポケモンは、またしても知らないポケモン。分かるのはファラスというニックネームのルカリオだけだ。後の2匹は何と言うポケモンなのだろうか?
とにもかくにも、これでルミコが先ほど観客席にいた理由がわかった。この会場はすべてのコースを一度に行えないから、ルミコは観客席にいたんだ。そう自己解決をし、今度は自分がルミコを応援した。
しばらくすると競技はすべて終わり、結果はルミコの優勝。他の選手たちより気合が入っていたからだろうか?
多くの声援とともに、ルミコや他の選手たちは退場していく。それと同時に、セツナも下に降りてルミコがカウンターの外から出てくるまで待っていた。そして、ジャージから普段着に着替えたルミコがようやく出てきた。そして、受付の人と会話を交わし、預けたポケモンを受け取ったあと、こちらに近付いてきた。

「お、セツナく~ん!優勝おめでとう!」

と言いながら、手持ちのポケモン2匹をモンスターボールにしまい、1匹だけ縫い包みを抱くようにして持った。抱かれているポケモンはとても嬉しそうだ。

「え、えと、ルミコさんも優勝したじゃない。」
「ま、そうだけどねぇ~。」
「ところで、そのポケモンは?」
「あ、この子アブソルって言うポケモンだよ。名前はルシェード!」

「ルシェード」と名付けられたアブソルというポケモンは、とてもとても小さかった。ルミコの持っているポケモン図鑑で見ると、体長は1.2mと多少大き目。しかし、ルミコの持っているアブソルは両手で抱えて持てるほどの小ささだった。一体、何故こんなにも小さな体をしているのだろうか?
そんな疑問をルミコに問いかけてみた。

「この子の事知りたいの?」
「だって、気になるじゃない。カエンも気になるでしょ?」

そう尋ねられて、カエンも「うんうん」と頷いた。

「そっか~・・・じゃ、いったん外でよっか。」
「え、あ、うん。」

そうして、ドームから外に出てると、辺りはいつの間にか薄暗くなっていた。これはいったんコガネシティへ戻ったほうがよさそうだ。道端で野宿というわけにはいかない。
自転車屋で手に入れた自転車をカバンから取り出し組み立てる。そして、自転車にまたがり走り出した。一直線に走り、自転車に乗ったままゲートに入る。自分たちが入ってきた場所から外に出て、わずか数分でコガネシティへ戻る事が出来た。そして、ポケモンセンターに入り宿泊スペースに入った。

「ふぅ・・・真っ暗になる前に着いてよかったね~。」
「そうだね。で、さっきのそのルシェードって名前のアブソルの話・・・。」
「あ、そうだったね。」

ひとまず荷物などを置き、2つ並んでいるベッド手前の方にセツナが座り、奥の方にルミコが座りこう話しだした。

「そう、あれは確か、私が5歳の時かな・・・。」


続く。
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