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【オリジ小説】ヒーローはここにいる!【EP:09】

ヒーローはここにいる! EP:09


アイスの突然の発言に、一同は氷のように固まって、言葉を失った。
連絡出来なくて、自分の星に帰れなくて困っていたのではないのか?

「2年間、この地球という星に住んで僕は思いました。この地球は、色々な悪に悩まされている。でも、その色々な悪は誰かにとっては正義で、僕みたいな本物のヒーローがいる場所じゃないって思いました」
『……なら、地球に残らずに、帰ってくればいいじゃないか』
「そう思いました。しかし、僕が今の職業に就いてわかったんです。人々を悩ませるのは人だと。悪の星から湧いて出てくる怪人じゃないのです」

アイスは、氷室柊弥として俳優業をしている時、人に襲われたことがあった。危険を察知する自分の特殊能力が反応して、その時は相手の動きを止められたのだが、アイスは理解ができなかった。どうして、人が人を襲うのだろうと。動きを止めた状態で、それを相手に問うと、ただ一言「気に入らないから」と言った。
アイスは余計に理解ができなかった。「気に入らなかった」ただそれだけで、相手に刃を向ける事が。
そして、その騒動に気付いたマネージャーが、警察に通報し、アイスを襲った犯人を逮捕させた。その時、アイスはマネージャーに「どうして、人が人を襲うのだろうと」質問した。

「この世界はね、人と人の葛藤で出来てるんだ。誰かが喜んだり幸せになったりするけど、それは誰かにとって喜ばしくないし、幸せなんかじゃない。何かを意見すれば反対する。そういうこともよくある。それを全部ひっくるめ、恨み妬みに変換されて募り、やがて人は悪になるんだ。だから、人が人を襲うことは何も珍しいことではないんだ。だからと言って、襲ってもいいなんてことは何も無いんだけどね」

マネージャーにそう言われ、この地球は人は人に悩まされていることを理解した。そして、どうにかすべての人々が平和に暮らすことは出来ないだろうかと、長い事考えたのだが、皆が皆平和になる答えは出なかった。

「だから僕は、この地球に残ってもっと勉強したいんです!お願いします!僕をここに残してください!」
『しかしだなぁ……』

その時だった。アイスが突然遠くの方へ顔を向けた。アイスの特殊能力、危険を察知する能力が反応したようだ。
アイスが向いている方向に、ゼノンとライラも見た。空に、煙が上がっている。

「火事だ……!」
「しかも、あの煙が出てる場所って……!」

アイスが、いつもパーティーで使用する、200階建ての高層ビルだ。

「なんであのビルから!?今日はあのビルの最上階で結婚式みたいだし、火元なんて……!」

考えるよりも、アイスは飛び出そうとした。しかしそれを、ゼノンが止めた。

「走るより、飛んだ方が早い」

ゼノンの言葉にライラも頷き、2人でアイスの手を引いて空を飛んだ。通信先の本部の人は、友人だと紹介された2人が飛んだことに驚いていた。それについての説明は、飛びながら簡単に説明して無理やり信じさせた。
そして猛スピードで、ビルに向かって空を進んでいく。途中、消防車が見えた。通報を受けたのだろう。その消防車を軽く抜き、ビルの前までやってきた。みると、最上階が火元で、そこから下数階が燃え移っていた。
人々に見られると不思議に思われるので、何とか気付かれない位置に着地して、ビルの前まで来て見上げる。周りは野次馬でいっぱいである。

「あの状態を見ると、まだあそこに残った人々が取り残されてるかもしれないな……」

冷静にゼノンは状況を分析した。

「どうする、アイス?」
「今から僕がコールドシルフィーに変身して、人々を助けるよ!」

しかし……

『だめだ!こんなにも大勢の人々がいるんだぞ!』

人前で変身する事は、自分の正体を明かすことになる。それは、ヒーローである事の規則であり掟だ。本部の人はそう言った。
アイスは今「氷室柊弥」という、売れっ子俳優だ。正体を明かせば、それはそれで世間が騒ぐだろうし、芸能人として生きていけるのかどうか危うくなる。それに、本物のヒーローだと正体を明かした状態で変身すれば、今後、ヒーローに変身することは出来なくなってしまうのだ。
アイスは悩んだ。確かに、今ここで変身してしまえば。もう、ヒーローとして変身する事は出来なくなる。それは、ヒーローとして辛いことだ。だが、人々が助けを求めている。人々を守るのが、ヒーローのつとめだ。しかし……
そう、頭の中で深く悩んでいると、野次馬の中からひとりの少年の声が聞こえた。

「コールドシルフィーなら、この火を消せるのに」

10歳ぐらいの少年だろうか。未だ、ヒーローの存在を信じる幼さが見える少年だった。
それに対して、親らしき人が「テレビだけのヒーローなんだからいるはずがない」と言って咎めた。
気が付けば野次馬はさらに増え、中に氷室柊弥のファンも混じっていた。

「コールドシルフィーなら」
「いや、番組だし……」
「居たら良いのにな……」

聞こえる大きくのファンの声。
こんなにもヒーローを待ち構えている声が上がり、氷室柊弥は──アイスはもういてもたってもいられなかった。

「ヒーローはここにいる!」

ここにいる全ての人に聞えるように、アイスは大声で叫んだ。

続く
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