Home > スポンサー広告 > 【オリジ小説】ヒーローはここにいる!【EP:11】

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

Home > スポンサー広告 > 【オリジ小説】ヒーローはここにいる!【EP:11】

Home > オリジ小説「ヒーローはここにいる!」 > 【オリジ小説】ヒーローはここにいる!【EP:11】

【オリジ小説】ヒーローはここにいる!【EP:11】

ヒーローはここにいる! EP:11


最上階へたどり着き、未だ煙の上がる部屋に入って、煙を手で抑えつつも、アイスの名前を呼ぶ。しかし、アイスからの反応はなかった。一応周りを見渡して、他に逃げ遅れた人はいないかと探しつつも、ゼノンはなおもアイスの名を呼んだ。未だに炎は消されておらず、煙だけが増えていく。
そして、天井が崩れている所に目がいった。たくさんの瓦礫の下に、変身の解けたアイスがうつ伏せで倒れていた。

「アイス!」

ゼノンは駆け寄り、浮遊術で瓦礫を何とか外し、アイスを抱き起こす。

「おい!アイス!目を開けろ!」
「う……ぁ、ゼノン……君?」
「良かった……まだ息はあるな。待ってろ、今快復させてやるからな」

ゼノンは急いで、アイスを抱いたまま片手を翳し、力を込める。ゼノンの手から暖かな光が溢れ、アイスの傷ついた体を癒していく。その間に、ほかの場所も崩壊が始まった。このビル、上部の方はもう持たないのかもしれない。
そして快復が終わり、アイスは体を起こした。

「あれ、なんともない……死神って凄いね……じゃなくて、ありがとう。ゼノン君が来なかったら、今頃僕死んでた」
「もし死んだら、死神に転身したらどうだ?……って、そんな会話してる場合じゃないだろ。消火だ消火。火元探すぞ」

2人は、火事の火元を探した。もちろん、燃え移った箇所を消火しながら。ただ、アイスは大勢での前で、自分が本物のヒーローだと宣言した状態で変身したため、現在変身が解けてしまい、変身し直すことが出来なくなってしまったようなのだ。

「ヒーローなのに、気絶しちゃうし、おまけに変身出来ないなんて、笑っちゃうよね……」
「その話はまた後で。今は火元を……あ!」

消火しながら歩いていると、目の前に黒髪の女性が立っていた。逃げ遅れかと思ったが、どこもにも外傷がないところを見ると、この女性は霊体だとわかった。
その女性の霊体が見えていないアイスは、ゼノンが何に気付いたかかわかっていなかった。

「死亡予定されてた人がそこにたってる」
「え?つまり……幽霊ってこと?」
「そういうことになる」

この女性、所在地センサーに反応せず、ほかの部隊が担当して探していた人物だった。死因は爆死としか書かれていなかったので、何かの戦争に巻き込まれて、なくなると予想されていたのだが、これはどう見ても……

「この火事の原因は、お前だな」

言いながら、ゼノンはアイスにも見えるように、特殊な粉をふりかけた。すると、アイスにもようやく黒髪の女性が見えた。
女性は、2人を睨みつけにやりと笑う。

「そうよ。私がやったの」

女性は、この結婚式が気に入らなかった。新郎が、昔付き合った彼氏、つまり元カレだった。爆弾を用意して、参加者共々心中するはずだった。しかし、女性が持っていた爆弾は衝撃に弱く、今女性がたっている場所で、うっかり爆弾を落としてしまった。気が付いたら、ビルは大火事、自分はここから動けない状態だったそうだ。

「なるほど。執念が強すぎて、死んだ瞬間地縛霊になったのか……」
「地縛霊?やっぱり、私死んだの?」
「あぁ。ちなみに、周りに燃え移った炎は消させてもらったし、隣にいるこいつが、ビルにいた人々を避難させたから、死んだのはお前だけだぞ」

それを聞いてショックの女性は、ゼノンに向かって怒鳴り叫んだ。

「あぁ、そう……なら、あなた達だけでもいい!!一緒に私と死になさい!!」

女性の執念が強く、妙なオーラがまとった。このままでは悪霊になってしまう。
ゼノンは、素早く魂回収用のカプセルを出して蓋を開けた。カプセルについたスイッチを押すと、妙なオーラと共に勢いよく女性が吸い込まれていく。

「ちょっと!何よこれ!?体の自由がきかない!?」
「回収中だからな。動けないのは当たり前だ」

ゼノンは、冷静に目の前の霊体を回収する。

「ゼノン君、さっき言ってた一段落ついたって、この幽霊の事だったの?」
「あぁ。他の部隊に、調査を手伝って欲しいって言われて調査してたんだ。まさか、こんな所にいるとは思わなかったけど」

そして、動くどころかしゃべることも出来なくなった頃、女性の霊体の回収は終わった。そして、カプセルにあるもうひとつのスイッチを押すと、カプセルが目の前で消えた。

「消えた!」
「閻魔様のところに転送されたんだ。ま、今日はセインさんが受け取ってると思うけど」

無事回収し、転送したところで、火の元を消した事を確認した。そして、皆に心配をかけているので、崩れそうなビルから、早急に脱出した。
ゼノンが、アイスの手を引いて窓から出ると、下はやっぱり大歓声だった。危ないからもっと離れてと誘導されつつも、応援の声は止まらなかった。

「やっぱり有名人だな、アイス」
「あははは……」

と、頭をかいていると、不意にアイスは真剣な顔で、ビルの方を見た。そして叫ぶ。

「皆ぁ!!このビルから離れてぇ!!」

何事かと思うと、焼けた部分からビルがゆっくり崩れ始めたのだ。
もともと、高層ビルだという事もあるが、下の階も数階燃え移っていたため、支えることが出来なくなってしまったのだ。
人々は、その声で危機を感じ、一目散に逃げ出した。
ゼノンは、被害を最小限にするため、ビルに手を翳して氷の能力をぶつける。しかし、ビルが大き過ぎて、すべての崩壊を止める事に間に合わない。

「僕が、もう一度変身できれば……!」
「なぁ、アイス。本当にもう二度と変身出来ないのか!?」
「え?」
「人々を救いたいという思いがあれば、また変身できるんじゃないか!?ヒーローって、そういうものじゃないのか!?」

そうだ。人々の目の前で変身したからと言って、もう二度と変身出来ないなんて、そんなの馬鹿げてる。何のためのヒーローなんだ。僕は、何のためにヒーローになったんだ。
僕は……僕は……!

「僕はヒーローだ!人々を守るために生まれたヒーローなんだぁあ!!」

続く
スポンサーサイト

Home > オリジ小説「ヒーローはここにいる!」 > 【オリジ小説】ヒーローはここにいる!【EP:11】

Return to page top

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。