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【ポケモン小説「絆」】Story5:マダツボミの塔とジム戦。

「ポケットモンスター ハートゴールド・ソウルシルバー」―絆―
Story5:マダツボミの塔とジム戦。




大きな池に架かった橋を渡り、塔の近くにあった看板を見る。

ここは マダツボミのとう
ポケモン しゅぎょうを つうじて
まよいを たちきり なされよ

修行とは一体どういう人がどんなことをしているのだろうか?
疑問を抱きながらも、その古めかしい扉をあけ中に入る。すると、銅で作られたマダツボミの銅像が入り口付近に建てられていた。これがマダツボミの塔のシンボルのようだ。
近くにいたおばあさんに話しかけると、30mもの巨大なマダツボミの体が、塔の中心の柱になったといわれているとの話を聞くことができた。30mだなんて普通のマダツボミでは絶対にあり得ないのだが、おそらく大昔にそれほど大きなマダツボミが存在したのだろう。
そういえば何かギシギシと音が鳴っている。気になって振り向くと、その音の正体は中心に建てられている大きな柱であった。ギシギシと音を鳴らして、微妙に左右に揺れている。まるで、そこに先ほどおばあさんが話した巨大なマダツボミがいるかのように。
しかし、ちょうどいたお姉さんが話しかけてきた。その話によれば、この上の階でお坊さんたちが修行しているからだとか・・・。
そういえば、ここに入ると何人かのお坊さんが目に入る。どうやら、このマダツボミの塔というのは、お坊さんたちが修行をするために建てられたもののようだ。とすると、巨大なマダツボミが柱になったという話は・・・?
大昔の話だ。真相を知る者は誰もいないだろう・・・。
上の階に昇ろうと梯子の近くに寄ると、お坊さんが横に立っていた。話を聞くと、一番上まで登った人だけが、素晴らしい技をもらえるのだとか。一体どんな技なのだろうか?
梯子をのぼり、上の階に辿り着く。そこの1人のお坊さんが建っていた。これは、勝負の予感である・・・。

「我々が大暴れしても、この塔はびくともしません!」

お坊さんはそう言ってから「私の名はチンネン!お手合わせ願おう!」と言って、マダツボミを繰り出した。当然、セツナは一緒に連れ歩いているカエンを前に出す。

「カエン!『ひのこ』だ!」

そう言って、マダツボミに対して効果抜群の「ひのこ」を繰り出す。すぐに戦闘不能になってしまうマダツボミ。次に出したのもマダツボミだった。さすがにカエンばかり戦わせるのもあれなので、マダツボミのタイプを思い出し、ピースケを外に出す。
ピースケは虫タイプで、草タイプのマダツボミには有効。そして、ピースケは「ねんりき」を覚えている。毒タイプを持つマダツボミに対しては、効果は抜群だ。もちろんピースケは「ねんりき」を発し、マダツボミにあてる。次に出したマダツボミにも「ねんりき」を出して、勝負を終わらせた。

「暴れた割には・・・弱かった・・・。」

おそらく自分のことを弱かったと言っているのだろう。そして、先にある梯子を下りて、次のお坊さんとも戦う。そのお坊さんの名はモクネン。修行しているのは、ポケモンたちに感謝の気持ちを忘れないためというのもあるとのことだった。それよりも、バトルはバトル。モクネンはチンネンと同じようにマダツボミを出した。どうやら、ここにいるお坊さんたちはみんな、マダツボミを手持ちにしているようだ。だからマダツボミの塔と呼ばれているのだろうかと思ったが、違うだろうなと考えをひっくり返して、ピースケの「ねんりき」で軽く倒す。梯子を上った先にいたお坊さんも、マダツボミだった。もう、なんだかマダツボミを見るのも飽きてきた。そのお坊さんいわく、マダツボミの動きを修行に取り入れたいのだが、修行がまだ足りないようですと・・・もうどうでもいいよそんなのーと言いたくなるほどだ。だが絶対に口には出さない。
ようやく頂上に辿り着くと、そこにも何人かのお坊さんがいた。二人のお坊さんと戦い、マダツボミはもう見あきたと思っていたが、最後の1人かと思った人はホーホーを繰り出した。ホーホーは飛行タイプ。対抗するポケモンを持ち合わせてはいないが、ひとまずカエンを出す。そして、何事もなかったように勝負を済ませると、お坊さんは「長老様のところまでもう少しですぞ!」と言った。ということは、最後に戦うのはその長老ということだ。
大きな柱を通り越し、長老がいるであろう場所に着くと、そこにはナツキがいた。どうやら、長老とは勝負が付いているみたいだ。

「そなたの実力、確かに偽りなし・・・・・・約束した通り、この技マシンを渡そう。だが・・・もうちいっと、ポケモンをいたわるべきですぞ。そなたの戦い方は、あまりにも厳しすぎる・・・ポケモンは、戦いの道具などではないのです・・・。」

その説教じみた長老の話を、しっかりと聞いたのかどうかはわからないが、ナツキが不貞腐れたようにこちらに振り向いた。それとともに、こちらの存在にも気付いたようだ。少しの時間だけ、二人は見つめ合う。

「・・・フン!偉そうに長老なんて名乗っているくせして、全然歯ごたえないじゃないか・・・当然だな。ポケモンにやさしくとか、そんな甘いこと言ってるやつにオレが負けるわけがない。」
「そんな甘いこと言っている僕に、きみは負けてるけどね。」
「う、うるせぇ!!オレにとって大事なのは、強くて勝てるポケモンだけ。それ以外のポケモンなんか、どうだっていいのさ。」

生意気にそう言って、ナツキは「あなぬけのヒモ」を使ってこの塔から姿を消した。

(ナツキ・・・あんなこと言ってるけど、いつかはわかる時が来るよね・・・。)

セツナはあんな乱暴的で生意気なナツキのことを、どうも気にかけていた。初めて会った時も「また会える」なんて呟いていた。セツナにとって、ナツキは一体どんな人物なのだろうか?ナツキにとってはおそらく、「弱っちいやつ」としか見ていないに違いない。
それよりも、こっちの話し。セツナはようやく長老の前に立つ。

「よくぞここまでまいられた!このマダツボミの塔は、ポケモンと人が明るい未来を築けるか、修行で確かめる場所。そして、最後の試練はこの私。」
「はい、それは承知の上です!」
「うむ、いい返事だ。では、そなたとポケモンの絆、確かめさせてもらいますぞ!」

長老はそういって、マダツボミを出した。おそらく小手調べなのだろうか・・・?

「お主からでよいぞ!」
「あ、では・・・ゆけ!ピースケ!『ねんりき』!!」

もちろん効果は抜群で、そのマダツボミは倒れ長老のモンスターボールに戻っていく。そして、次は、ホーホーを繰り出した。ホーホー相手では相性が悪い。カエンを出そうと思ったが、ラトの力も試させておかなければと思い、モンスターボールから繰り出す。

「ラト!『でんこうせっか』!」

素早い動きでホーホーに攻撃を与え、長老がホーホーに「さいみんじゅつ」を命令しようとした隙に「続いて『かみつく』!」と指示を出し、ラトは先ほどの「でんこうせっか」の勢いを借りたまま、ホーホーに「かみつく」をお見舞いしてやった。そして、すぐにホーホーから距離をとると、今度はホーホーが「つつく」攻撃をしてきた。避けられずにいたラトはまともに受けたが、なんとか耐えた。そして再び「でんこうせっか」を繰り出し、ホーホーを倒した。まだまだラトは戦えるようだ。
最後のポケモンはやっぱりマダツボミ。「かみつく」や「でんこうせっか」を何度か繰り返し、マダツボミを倒した。

「ううむ、おみごと!」

長老はそう言って、マダツボミをモンスターボールの中にしまった。

「ふぅむ・・・そなたの戦い方、実に無駄がない。それならば、ハヤトどのとも互角に亘り合えるであろう。そして・・・そなたならば、これも使いこなせるであろう。フラッシュという名の技マシン、さあ、持って行きなされ!」

そう言って、長老はCDのような形をしているディスクをセツナに手渡した。そこには「わざマシン70」と書かれている。それを受け取り「わざマシン70」を「わざマシンポケット」にしまった。

「フラッシュを覚えさせれば、どれほど暗いところでも照らすことができますぞ。例えば、マダツボミなどに覚えさせるがよいであろう・・・。」
「そ、そうなんですか、あははは・・・。」

本当にマダツボミが好きなんですね。でも、それはお断りいたします。何て言えるわけがなかった。マダツボミばかり見てきたので、正直マダツボミが嫌になったというか・・・。別に、完全に嫌いとまではいってないが、しばらくマダツボミを見るのはやめておこうと、思ったのであろう。
ひとまずセツナは、このマダツボミの塔から出るために、ナツキが使っていた「あなぬけのヒモ」を使おうと思ったが、なかったのでやめた。長老が、親切にくれたのだが一応もらっただけにした。
何度か梯子を上り下りして、マダツボミの塔を出た。あたりはすっかり暗くなっていた。

「うあー・・・どうしよう・・・。」

―確か、ポケモンセンターに宿泊スペースが・・・。―

「カエン何で知ってんの?」

―いや、聞けばあるかなーって。―

「紛らわしいよ!」

結局、ポケモンセンターに行き宿泊スペースがあるかどうか聞いてみた。すると、奥の部屋にあるとのこと。トレーナーたちが立ち寄る場所なので、宿泊スペースを提供しているのだ。それに、食事するところもあるらしい。ポケモンの傷をいやす場所だというのに、本当に設備の整ったところだと、この時セツナは思った。
そういえば、食事もとっていないとふと思い出し、ぐーっとおなかを鳴らす。食事スペースで簡単な食事をとり、カエン、ラト、ピースケにはポケモンフーズを与えた。ちなみに、ブリーダーになるわけではないのでこのポケモンフーズは市販で売られていたものである。そもそも、ポケモンフーズなんてどうやって作るものか。アニメの登場人物に聞いてみたいものだが、そうもいかないだろう。
食事を取った後、宿泊スペースにてベッドの上に荷物を置く。さすがに寝る時までカエンを出しているわけにはいかないので、モンスターボールの中にしまった。荷物をベッドの端に置き、お気に入りの帽子をとり荷物の上に置く。とりあえず、布団もかぶらずに、ベッドの上にあおむけになって寝ころんだ。眠気はない。何も考えずに、ただただ天井を眺めるばかり。天井だけを見ていても何もならないので、セツナは体を起こしベッドから降りる。個室に与えられた洗面台にてコップに水を汲み、それを一気に飲む、ただ無心に。その行動に特にといった意味はない。トレーナーになって初めての夜だから眠れないのだろうか?
そして、セツナはようやくベッドに戻り、今度は布団をかぶって横になった。今度は眠気が出てきたのか、静かにまぶたを閉じ寝息を立て深い眠りに入った。


次の朝・・・セツナは静かに目を覚まし、大きなあくびをしながら体を起こした。ベッドから降り洗面台で顔を洗い、バッグからモンスターボールを取り出し、そこからカエンが現れる。そして、カエンも大きく伸びをする。

―おはよう、ご主人様。―

まだ眠そうな表情をして、そう文章を出した。普段は凛々しい顔をしているが、眠そうな顔になると可愛いんだなぁと感じるセツナだった。
すると、勝手にラトとピースケもモンスターボールから飛び出す。そして、お決まりのようにピースケが「おはようございますぅ!」と文章を出しながらべったりとくっつき、それに対して眠気が吹っ飛んだのかムッとカエンが顔をしかめ、ラトはそんなカエンに対して顔をしかめていた。同じ仲間なんだから仲良くしてよ。しかし、何故か言えない。
とりあえず、勝手に出てきた2匹をしまい、出発の準備をする。朝ご飯は食事スペースで簡単に済ませて、道中でおなかがすいた時のために、軽く食べられる物を購入しておいた。
そして、ポケモンセンターから外に出て、大きく伸びをする。それとともに、ほんの少し緊張がこみ上げる。これからジム戦なのだ、緊張もするだろう。

―ご主人様、大丈夫?―

「え?あ、うん、大丈夫だよ。でも、これからジム戦だと思うと、ちょっと緊張しちゃってね・・・。」

―きっと大丈夫だよ!たぶん。―

「何その最後の『たぶん』って。ものすごく心配になっちゃったよ。」

と会話をしながら、ジムの前へ。昨日より緊張する。
中に入って、昨日の人に話しかけられた。

「おーっす!未来のチャンピオン!おれはトレーナーじゃないからアドバイスはできるぜ!信じろよ!信じればチャンピオンも夢じゃない!」
「そ、そうなのですか。信じれば・・・。」
「そう!信じればな!いいか、草タイプは飛行タイプとものすごく相性が悪い、要注意だぜ!」

丸いレンズのサングラスがきらりと光る。「言いきったぜ!おれってすごくいい人!」みたいに。
セツナは石の階段を上り、台のようなものの中心に乗ってみた。すると・・・

―ウィイイイイイン!

その音とともに、急激な速さで上にあがった。ものすごく速いスピードで上がったため、振り落とされるかと思ったがなんとか耐えた。
そして、そこで二人のトレーナーと戦った。「無意味な高さに驚いたか!」と言ってくる人と、この高さで「どん!」と言いながら肩を押してくる人に。まず、最初の人のように確かにここは無意味に場所が高い。だが、それも鳥ポケモンと心を通わせるためだとか。次の人は、ただ試してみたという。しかし、セツナはよろけなかったため、感心したとのこと。どちらの勝負に勝ち、いざジムリーダー戦である。

「は、初めまして、僕、セツナと言います。」
「そうか。俺はハヤト。キキョウジムのジムリーダーだ。世間では、飛行タイプのポケモンなんか電気でいちころ・・・そんな風に馬鹿にする。」
「は、はぁ・・・。」
「俺はそれが許せない!大空を華麗に舞う鳥ポケモンの本当のすごさ、思い知らせてやるよ!」

鳥ポケモンを愛する気持ちはよくわかったのだが、半ばやつあたりである。ハヤトは勢いに任せて、最初はポッポを繰り出した。

「ゆけ!ラト!」

小手調べならと思い、ラトを出す。ラトはやる気満々だ。「でんこうせっか」と指示を出し、ラトは勢いよく飛び出しポッポに攻撃を与える。急所に当たったようで、ポッポがよろよろとしたが、体制を整えてラトに「たいあたり」を決めた。こちらも急所に当たったようだ。ラトがふらついている。だが、キッとポッポを睨めつけ「でんこうせっか」を決めてポッポを倒した。

「やるな、セツナとやら。だが、次はどうかな?」

そう言って、今度はポッポの進化系、ピジョンを繰り出した。凛々しい表情で「ピジョー!」と鳴き、翼を広げ宙を舞う。

「これから風に乗ってきたところさ!」

そう言って、ピジョンに「かぜおこし」を指示する。ラトに強風が吹きかけられ、さすがにこれは危険と思い、戦闘不能になる前にモンスターボールにしまった。そして、代わりにカエンが前に出る。ピジョンをまっすぐに見ている。
ピジョンは「かぜおこし」の指示を受け、再び翼を激しくはばたかせ強風を起こす。カエンはそれに必死に耐えるが、「かぜおこし」の風圧が強すぎて耐えているのがやっとだ。セツナの帽子も吹き飛びそうだ。それぐらい強い風圧が、カエンにのしかかっているのだ。

「カエン!頑張れ!『ひのこ』!」

帽子を押さえながら、セツナは叫ぶ。それに反応するかのように火の粉を飛ばすが、強風に消されてしまう。

「どうだ!俺たちはまだまだ飛べるぞっ!」

ハヤトは意気揚々と、そして、熱意を込めて叫んでいた。そして、ピジョンがそとそろいいかなというように「かぜおこし」を止めた。これで自由に動けるようにはなったが、カエンが先ほどの風圧でよろめいている。さすがにこれはピンチだ。

「ピジョン!そのまま『たいあたり』を決めろ!」

「ピジョー!」と鳴き、カエンに迫ってきた。

「かわして!!」

セツナは思いきり叫んだ。その言葉に答えるように、カエンは必死の思いでピジョンの「たいあたり」を交わした。ギリギリセーフである。しかし、息がとても荒い。限界である。

「カエン!もういいよ!戻って!」

―ご主人様・・・大丈夫・・・ボクの特性をお忘れかな・・・?―

そう、カエン――つまり、マグマラシの特性は「もうか」だ。ピンチになった時、炎タイプの技の威力が上がるのだ。それを思い出し、セツナは思い切って「『ひのこ』だ!」と叫んだ。
するとどうだろう、先ほど出した「ひのこ」よりも威力が増していたのだ。その「ひのこ」を宙に浮いているピジョンに直撃させた。急所に当たったようだ。そのため、ピジョンは地面に不時着し、戦闘不能になった。

「・・・わかった・・・潔く地に降りるよ・・・。」

戦うポケモンがもうないのか、ハヤトはそう呟いてピジョンをモンスターボールにしまった。つまり、セツナはハヤトに勝利したのだ。
バトルが終了したと確信し、カエンが地面に倒れこんだ。セツナはそれに気付き、慌てて駆け寄りカエンを抱きかかえる。

「・・・畜生、父さんが大切にしていたポケモンが・・・。」

自分のじゃなかったんですか?言いたかったが今はそれどころではない。

「だが、負けたものは仕方ない。ジムを突破した証として、ポケモンリーグ公認のジムバッジを持っていけよ!」

その一言に、セツナはカエンを抱きかかえたままハヤトを見上げる。

「俺からきみに送るのは、このウィングバッジだ!」

すがすがしい笑顔で、そのバッジをセツナに手渡した。

「そのバッジがあれば人からもらったポケモンでも、多少なりということを聞いてくれるだろう。さらに、秘伝技の『いわくだき』が使えるようにもなるんだ。そして、俺からはこの技マシンをあげよう。」

ハヤトは懐から「わざましん51」と書かれたディスクを取り出し、セツナに手渡した。それを受け取り、「わざマシンポケット」にしまった。

「技マシンを使えば一瞬でポケモンに技を教えることができる!ただし、使い捨てだからよく考えて使わないとな。」
「は、はぁ・・・。」
「ちなみに、『わざマシン51』の中には「はねやすめ」が入っている。これは、最大体力の半分の量を回復させられる技だ!この先、いろんな街にポケモンジムがあるから、有効に活用してくれ。」
「はい、ありがとうございます。」
「次は・・・そうだな、ヒワダタウンにでも行ってみるといいかもな。」
「わかりました。行ってみます!」
「あぁ、頑張るんだぞ!俺は最強の取り使いになるため、ポケモンと己を鍛えるよ!」

そう会話を交わした後、カエンをモンスターボールにしまって、急いでポケモンジムから外に出た。入口に立っていた丸いサングラスの人が「ナイスファイト!その調子で一気にポケモンチャンピオンだぜ!」と言っていたが、聞いたふりして外に出る。本当にそれどころではないからだ。
そして、さらにそれどころでないというように、ポケギアが「ピリリリリ!」と鳴り出す。相手はウツギ博士だ。一体何用なのだろうか?

『もしもしセツナくん!あれから更に解った事があるんだ!くわしくは・・・言えないんだけど、やっぱりあの卵はキミが持っていてほしい!僕の助手がキキョウのフレンドリィショップに行ってるはずだから、そこで卵を受け取ってよ!』

―ピッ!ツー・・・ツー・・・ツー・・・

「それどころじゃないんだけどなー・・・。」

しかし、フレンドリィショップはジムの隣。でも、渡される前に何かいろいろ言うだろうから、まずはポケモンセンターに走る。

「えと!その!」
「あ、はいはい、落ち着いて。ポケモンの回復するから、モンスターボールをこのトレイにおいてください。」

渡されたトレイにモンスターボールを置き、ジョーイさんに渡す。
お決まりの回復音が流れ、セツナの手持ちのポケモンは一瞬にして体力が回復した。
慌ててカエンを外に出すと、何かを払うように顔を振ってセツナを見上げた。

「よかったぁあ!」

セツナは思いきりカエンに抱きつく。

―ご、ご主人様!?大げさだよぉ!!―

文章を出したが、声を出して話しているわけではないので気付かれない。
と、そこに・・・

「こーんにちはー!!」

何やら暑苦しい雰囲気の漂う、筋肉質のお兄さんが話しかけてきた。

「ポケモンファンにはもうすっかりおなじみ、『おしえテレビ』からやってきたハジメお兄さんでーす!」

誰だ。そもそも「おしえテレビ」って何?
そんな顔をしたセツナだが、ハジメと名乗ったお兄さんはお構いなしだ。

「今日はみんなから、お兄さんがどんなふうに見られてるのか教えてもらっちゃおうかな?」

えー。もうこのお兄さん何なのー?

―とりあえず、何か言っておけばいいんじゃないかな・・・?―

カエンがふと文章を出す。それに対して「それもそうか。」とアイコンタクトを送った。
ハジメお兄さんは、何か言葉を選ばせるようなボードを持っていた。そこから言葉を選べばいいのかと思い、セツナは「あそび」と「しんじられない」を選んだ。

「ええーっ!!そんな風に見えてるのかい!?自分のことって、自分ではわからないもんだねぇ。」

適当に選んだ言葉なのに、そこからどんな事を連想したのかわからないが、リアクションがでかすぎる。

「じゃ、お兄さんのこのノリのよさはどんなふうに思われてるのかな?」

ハジメお兄さんはまたボードを出した。セツナは、今度は違う言葉を選らんだ。選んだ言葉は「おかし」と「ぼうけん」である。これできっとまた、おかしなリアクションを取るのだと思っていたのだが、今度は違った。

「・・・おや?そんな言葉を知ってるなんて、タダモノではなさそうだね。」
「そうなんですか?適当に選んだだけなんですけど・・・。」
「きみはトレーナーさんだったよね?じゃ、僕がコネを使ってこの卵をあげちゃうから、大事に育ててよ!」

半ば強制的に、ハジメお兄さんはセツナに卵を渡した。何の卵かさっぱりだ。
もしかして・・・いや、ウツギ博士の助手は、フレンドリィショップにいるからこのお兄さんのはずがない。とりあえず、貰ってしまったのは仕方がないので、やさしくバッグの中にしまってフレンドリィショップの方に足を運んだ。
そこには、メガネをかけて白衣を着たあの助手さんがいた。

「セツナくんお久しぶりです。ウツギ博士に頼まれて、キミを待っていてんですよ。実はですね・・・あのポケモンの卵を育ててみてほしいんです!」

大体予想はできていたが、やはりこういうことかとセツナは思った。もちろん快く引き受ける。さっきポケモンセンターで、他の卵を受け取ったなんてことはさすがに言えないが。
そして、助手から卵を受け取った。さっきもらった卵とはちょっと・・・いや、大分違っていた。真っ白な卵なのだが、そこに赤い三角の模様と青い三角の模様が何個かあった。ちなみにさっきもらった卵の模様は、クリーム色に二か所ほど縞模様があるといった模様だ。

「あのあと、ウツギ博士に誰かから電話がありましてね、しばらく何の話をしていたかと思ったら、突然博士が・・・『そういうことならやっぱりセツナくんしかいない!』と叫んだんですよ。」
「うわー勝手な人だなー。」

ぽつりとセツナはつぶやいた。

「え?今何か?」
「いえ何も・・・話を続けてください。」
「まぁいいや。それで、とにかくこの卵を渡してきてくれ!と博士がおっしゃるので、こうして私が届けに来たというわけなんです。」
「お疲れ様です。」
「ポケモンの卵は元気なポケモンのそばで、ある程度時間がたたないと生まれてこないようです。その点でも、セツナくんならピッタリだと思うんですよね。」

確かにセツナはトレーナーになったばかりだし、手持ちのポケモンも面白い性格でいろんな意味でにぎやかだし、その話は妥当な意見である。さっきは強制的に貰ったが。
助手は「じゃぁ、よろしく頼みますよ!」と行ってショップを出てしまった。

「とりあえず、こうやって抱えてればいいかな。だよね?」

―たぶん・・・。―

「いや『たぶん』って、カエンのその言葉は毎回僕を心配させるよね。」

そんなこと言いつつショップから出ると、派手な赤い着物をした綺麗な女性かこちらに気付き近寄ってきた。

「あれま、その卵は・・・!ふんふん、なるほど・・・ポケモン爺はんからウツギはんへ、そしてウツギはんからあんさんへ。そうどすかぁ・・・。」
「あのぅ・・・な、何か・・・?」
「それはほんまに大事な卵やさかいに、しっかり育てておくれやす。よろしおすな?」
「あ、は、はい・・・。」

とまどった口調で返事をするセツナ。その返事を聞いた後、その女性はくるりと回り「ほな、頼んますえー」と行ってから32番道路の方うへと歩いて行ってしまった。一体、あの女性は誰だったのだろうか?

―ご主人様!ご主人様ってば!―

文章を出しているだけなのでセツナは気付かない。

―ご主人様って言ってるでしょ!!―

カエンは先ほどの女性に見とれているセツナに、思いきりタックルを決めた。おかげで大事な卵を落としそうになった。

「痛いよ!そんでもって危ないよ!!」

―あ、ごめん・・・呼んでも気が付かないから・・・。―

「いや、文章出されても気付かないの当たり前だから。」

―あ、そうだった。―

とにもかくにも、この卵(さっきもらった卵もそうだが)一体どんなポケモンが生まれるのであろうか?
卵は時々動いているようで、生まれるにはもう少しという合図を出しているかのようだ。一方バッグに入った卵の反応は今のところない。まだまだ時間がかかりそうである。
セツナはどんなポケモンが生まれるのかを楽しみにしながら、次の街、ヒワダタウンを目指すのであった。



続く・・・。
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