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【ポケモン小説「絆」】Story6:アルフの遺跡とポケモンの卵。

「ポケットモンスター ハートゴールド・ソウルシルバー」―絆―
Story6:アルフの遺跡とポケモンの卵。




必要なものはショップで買いそろえ(といっても、傷薬や状態異常を治す薬などを買っただけだが)、ひとまず助手にもらった卵を大事に抱えて、キキョウシティを出るため歩みを進める。出る前に、ぼんぐりの木を発見し揺らす。そして、黄色いぼんぐり――つまり、きぼんぐりを手に入れた。まだ使い道はわからないが、ひとまずぼんぐりケースにしまう。そして、道の脇に1つずつ置かれた電灯を過ぎると、32番道路に出る。
セツナはふと右を見る。すると、100mぐらい先にゲートらしきものが見える。その向こうに何ががあるようだ。近くの看板を見ると、

 アルフのいせき
←ひがしがわ いりぐち

と、書かれていた。
「アルフの遺跡」とは一体何の遺跡なのだろうか?

「別に急ぎの用事もないし、行ってみよっか?」

―そうだね。行ってみようか!―

カエンも納得の意見の文章を出して、ニコニコ笑っていた。
そうと決まれば、行動開始である。ランニングシューズでゲートに向かって、超特急で走った。
中に入ると、中年のおじさんが「遺跡の勉強かい?将来は博士だな!」と言って笑っていたり、塾帰りらしきセツナよりも幼い少年が「石の板に絵が描かれてる!動かしてみたけど、あれなんだろうな。」と言っていたりしていた。ゲートにいる若いお兄さんは「見て触れるアルフの遺跡観光!動かせる板をぜひ手で触ってみてください!」と、まるで何かのツアーの案内人のような口調で言っていた。
しかし、そう促されると興味がわいてくるのが年頃の性。やってみないわけにはいかない。
ゲートを通り越すと、まるで世界が変わったかのような寂れた情景。大昔にあったものが、今までずっとここにあったというような空間であった。石で造られたと思われる建物が、いくつか設置されている。見ているだけでも、不思議だと言わざるを得ない。地面には、昔の人が描いていただろう絵が残っている。しかし、その絵はほとんど埋まっているのか、はたまた欠けてしまっているのか、とにかく何の絵なのか判断が出来ないほどまでに至っていた。
この空間に、マッチしているのかそうでないのかと言わんばかりの看板を見る。

ここは アルフのいせき
いせきを たんけんして
かせき はかせに なっちゃおう!

何故「化石博士」?「遺跡博士」ではないのだろうか?遺跡を探検するのだから、「遺跡博士」と言えばいいはず。別に化石と無関係というわけではないのだが、化石は遺跡から出てくるもの。「化石博士」より「遺跡博士」と表示した方がよかったと思うのだが、しばらく考えた後、これは突っ込んではいけないと心に決めたセツナであった。
看板を見た後、その先にある一軒家を見つける。あまりこの遺跡の空間とマッチしてはいないが、おそらくこの遺跡を調べるために建てられたものだろう。その証拠に、横にあった看板に「ここは いせき けんきゅうじょ」と、ここの位置でもわかるように書いてあった。
セツナはひとまず

ここは なぞの おおひろま
あしもとに ごちゅうい ください

と書かれた看板がある場所に来てみる。石で造られた屋根に苔が生えているのか、上部だけを緑に覆っていた。その苔の中に、多少なりと小さな花が咲いている。中に入って、中心にある梯子をゆっくりと足元を確かめて降りる。
降りた先は、本当に広い広い場所だった。古代文字なのかよくわからない文字が、壁という壁にびっしりと書かれている。文字の中には、理解しがたい絵も描かれていた。歩きながら広間を見ていると、昔のポケモンをまねて作られた銅像が、いくつもいくつも置かれている。一体、何のために作ったのだろうか?
セツナのほかにも来ている観光客も、この大広間を不思議そうに眺めていた。「神々(こうごう)しいってゆーか、歴史的ってゆーか、禍々しいってゆーか、古代的ってゆーか、重々しいってゆーか、カビ臭いってゆーか、よーするに・・・神秘的な感じ?よね。」と、いろいろ言う割には結局「神秘的」といったお姉さんや、「広い部屋だけど何もないや」というちょっと太った男の人がいた。

「それにしても、大昔に建てられたものって感じなのに、人によって壊されたりした後とかないんだねー・・・。」

―言われてみれば、確かにそうだ・・・。―

そう言っていると、そうとう年のいっているお爺さんが近付き話しだした。

「この遺跡は、盗賊にも荒らされず、悪戯や落書きをされることもなく、ほとんど昔のままの状態で残されている。そういう気持ちにさせる何かが、ここにはあるのだな。」

お爺さんは、すべてを知っているかのように物語った。

「そういうオーラがあるんですね、この遺跡には。」
「うむ、お前さんは若いのに、物分かりがよくて嬉しいぞ。」
「ありがとうございます。」

そう言って、セツナは隅々までこの広間を歩き回った。しかし、本当に銅像があるだけで何もない。壁に書かれた文字や、絵のことに関しては本当に理解しがたいものだ。わずか10歳の頭で考えても、結論には至らないだろう。
梯子をあがり、外に出る。不思議な気持ちに満たされていたが、外の空気をいっぱいに吸って一時的にそれを「無し」にする。だが、この遺跡にいる限り、この不思議な気持ちは振り払えないだろう。
そういえば、ゲートのお兄さんが言っていた「動かせる板」があるというのを思い出した。セツナは大広間への入り口があるところの後ろにある石のトンネルのようなものを2か所通る。ちなみにその屋根にも、大広間の入り口ほどではないが苔がこびりつくように生えている。そして、その先にあった石の部屋らしきところに入ると、案内のお姉さんが立っていた。

「ようこそ、遺跡の小部屋へ!こちらでは、遺跡で掘り出された大昔のポケモンの石板を復元しているところです。石板の破片は、回転させたり、他のところに移動させたりできます。そうやって並べ替えていけば、元の状態に復元できるはずなのですが・・・・・・。」

いかにも「私の頭脳では復元ができません。」とでも言いたげである。ならば、自分が解いてみるしかあるまいと、石板の前に立つ。

かいていに かくれては
せなかの めで
あたりを みていた ポケモン

石板の説明にはこう書かれていた。一体どんなポケモンなのだろうか?セツナには全く見当もつかない。外れている石板のピースは4つだった。
これなら復元できるかもしれないと、セツナは意気込んで石板をはめ出した。別にパズルは得意ではないが、要はこの残りのピースを絵に合うようにはめればいい話。それに、数も少ないから簡単にできると思いながら、石板を動かしたり回したりしてうまくはめ込んでいた。
そして、それはわずか2~3分で終わってしまう。

「これで完成だ!」

そう言ってセツナは最後のピースをはめると、完全に復元が出来た。そして、その復元された石板が不気味に光ると、ゴゴゴゴと小さく部屋が揺れる。何かと思っていると、セツナが立っていた場所に、突然穴があきそのまま下に落ちてしまった。
ドサァ!と口で表現できるような音を立てて、セツナは不時着した。カエンも一緒に落ちてきたようで、セツナの上にドスッと落ちる。その瞬間に「ぐぇ」とセツナは小さく呻いた。

―ご、ごめん!ご主人様!―

「いてててて・・・まぁ、いいよ、突然だったし・・・ってか、ここってさっきの大広間じゃ・・・?」

体のほこりを払いながら辺りを見回すと、そこはどう見ても先ほどの大広間だった。しかし、何故か先ほどとは全く雰囲気が違うように思えた。
そうしていると、セツナが落ちてきたこととその会話に気が付いたのか、近くにいた研究員らしき人物がセツナに近付いてきた。

「上から落ちてきたということは・・・なんと!石板のパズルを解いてしまったんですね!素晴らしい!」
「え、あ、はぁ、どうも・・・。」
「考古学の才能がありそうなきみに、このノートを差し上げましょう。捕まえたアンノーンが自動的に記録される、とても便利なノートですよ!」
「あ、アンノーン?」

研究員はセツナの質問に答えず、無理やり「アンノーンノート」を手渡してどこかへ行ってしまった。とりあえず、そのノートを「たいせつなものいれポケット」にしまった。
そうして1人に・・・いや、セツナとカエンだけになってしまった瞬間に、何かの気配を感じた。同じ大広間にいるはずなのに、本当に何かががらりと変わったような雰囲気だ。しかも、先ほどいた観光客はついさっきまでいたというのに、誰ひとり見当たらなくなってしまっていた。おそらく、この数分の間に帰ってしまったのだとは思うが・・・。
と、何か耳に幻聴のようなものが聞こえる。幽霊の声とかそういった類ではない。簡単に言ってしまえば「音」のようなもの。いや、「音」と断定していいものなのかよくわからないのだが、とにかくその不思議な「音」が聞こえてきた。その「音」にセツナは振り向くが、何もいない。

「気のせい・・・か・・・。」

―どうかした?―

「うぅん、何でもな・・・!」

「何でもない」と言おうと振り返ったそこには、壁の模様と似たような生き物がセツナの目の前に浮いていた。不思議な「音」はそこから流れてくる。

―ジィ・・・ピロロ・・・ジジ・・・

話しかけているのだろうか?よくわからない。
その生き物は不思議な「音」を鳴らしながら、素早い動きでどこかへ行ってしまった。

「まさか・・・あれが、アンノーン?」

そう呟いて図鑑を開くと、確かに「アンノーン」と図鑑は表記されている。しかし、まだ捕まえてはいないので、その他の事はまだ書かれていなかった。
しばらく大広間を歩いてると、何匹かのアンノーンが現れては消え、現れては消えの繰り返しをしていた。捕まえる機会を与えてくれればいいのにと思ったが、どのアンノーンも全くその気はないようだ。
ならばこちらから仕掛けるしかないと思い、また現れたアンノーンに対してカエンに軽く「たいあたり」を指示をした。その「たいあたり」はアンノーンに当たり、その気になったのか、アンノーンが光り出しそれを四方八方に放出させた。しかし、カエンにしては効果はいまひとつだった。その技の属性が何か分からないが、相性が悪かったとしか言えない。そして、セツナはモンスターボールを投げアンノーンに当て、3回動いたのち中心の光が消えた。それすなわち、捕獲完了というわけだ。

No.061 アンノーン
シンボルポケモン
エスパー
たかさ 0.5m
おもさ 5.0kg

すかたかたちが むかしの せきばんに
しるされた もじに にており
かんけいあるのではと ウワサされる。

「う~ん・・・図鑑にもそんなに詳しく書かれてないか・・・。」

―アンノーンって、そうとう不思議で謎が多いなポケモンなんだね・・・。―

しかし、名前はどうしようか?このよくわからない形に、どう名前を付けてあげようか?
そう悩んだ結果、「ビィ」と名付けた。だが、何故その名前をつけようと思ったのかわからない。形から見てなのかどうかはわからないが、何故か雰囲気が「ビィ」と名付けざるを得なかったというか・・・そんな事を呟きながら、セツナは説明した。ますますアンノーンというポケモンの謎が深まるばかりである。
ひとまず、先ほど研究員の人にもらった「アンノーンノート」を開いてみた。

アンノーンノート セツナ
アンノーンの かず
げんざい 1しゅるい

表紙にそう書かれている。おそらく捕まえるたび、この数字は増えるだろう。しかし、一体何種類のアンノーンがいるのだろうか?見当もつかない。
ページを開くと、さっき捕まえたアンノーンが記されていた。そしてその横に「BEAR」と書かれていた。正直なんて読むのか解らない。
「まぁ、いいや」と思い、アンノーンノートをバッグの中にしまう。
そして、大広間から外に出てからひとまずキキョウシティに戻り、ポケモンセンターで回復させてもらう。そして、もう一度アルフの遺跡に立ち寄り、「ビィ」と名付けたアンノーンを外に出す。ビィは何も話しかけてはくれない。あたりをキョロキョロしたり、何かをしゃべろうとして唸り声をあげたり・・・。大広間に入れば、クルクルと回り始めたり、何か歌ってるみたいな動きをしたり、何もないところをじっと見つめたり、そしてそのまま動かなくなったり・・・まったくもって、どの行動も何を意味するのか全く分からなかった。

「・・・って、あれ?何で僕わざわざアルフの遺跡に連れて来てるんだ?」

―「アンノーン」って言葉にとりつかれてるんじゃ・・・?―

カエンの言葉にそうかと頷き、アルフの遺跡から出ようとした。その時だった。
卵の中から音か聞こえてきたのだ。まるで、すぐにでも生まれるという合図のように。そして、その卵は音を鳴らしながら上の方にヒビを作る。本当に今にも生まれそうだ。

「う、うわ!どうしよう!生まれるよぉおおおお!!」

―ご主人様落ち着いて!!慌てて卵を落としたら一大事だよ!!―

「そ、そうだ、落ち着け僕・・・!」

必死に気持ちを冷静にさせ、しっかりと卵を抱いたままにする。卵に入ったヒビはどんどん広がり、パキパキと音を鳴らす。そして卵から手足のようなものが出てきた。

「え!?カエン何これ?!」

―ボクに聞かないでよ!!―

慌ててはいるが、しっかりと卵は離さない。
そして卵の上部の殻がすべて剥がれたとき、その手足に会うようなかわいらしい顔があらわになり、閉じていた目をゆっくりとあけセツナの顔をじっと見つめる。そして、にっこりと笑った。それにつられて、セツナもにっこりと笑った。
ひとまず生まれたということで、ニックネームを考えるが思いつかない。図鑑から、何かニックネームのアイディアにならないものかとふと開いてみる。

No.046
トゲピー
はりたまポケモン
ノーマル
たかさ 0.3m
おもさ 1.5kg

カラのなかに しあわせが たくさん
つまっているらしく やさしくされると
こううんを わけあたえる という。

「トゲピーって言うのか・・・じゃ・・・『チック』!」

―何か理由でも?―

「ほら、名称のように頭が刺っぽいし、チクッと痛そうだから・・・だめ?」

―駄目じゃないけど、やっぱ単純だね。―

「カエン、酷いや。」

表情を変えずに、冗談じみてセツナは言った。
とにもかくにもニックネームも決まったことだし、ひとまず目的地へ行こうとすると、

―ピリリリリ!

ポケギアが鳴り出した。相手はウツギ博士だ。

『やぁセツナくん、話は聞いてるよー!』

「何の話ですか?」

『何のって・・・あの卵からポケモンが生まれたんだって?いやぁ、おめでとう!さすがはセツナくんだ。きみに卵を預けて大正解だったね!』

生まれた事なんてまだ誰にも話していないというのに、何故生まれた事を知っているんだ。セツナはそう思ったが言わなかった。

『どんなポケモンが生まれたのか、そのうち見せに来てよ!』

「あ、はい、わかりました。」

―ピッ!ツー・・・ツー・・・ツー・・・

「・・・ウツギ博士・・・超能力でもあるのかな?」

―さぁ・・・?―

カエンはセツナの言葉に首をかしげた。
アルフの遺跡を出るため、北側にあるゲートに歩いて行った。そして、そこにある看板が気になったのか、ふと見てみる。

ここは アルフのいせき
こうこがくに きょうみの あるかた
けんがくは ごじゆうに どうぞ

東側のゲートの近くにあった看板とは、えらく違った書き方だ。全く言葉を茶化していない。きっと、こちら側の看板は大人向けに作られているのだろう。
ゲートに入ると、お爺さんが少し困った顔になっていた。セツナは「どうしたんですか?」と話しかけてみた。

「道路におかしな木があっただろ?」
「おかしな木?」
「何じゃ、見ておらんのか?36番道路と37番道路をつなぐ道に、堂々と木が植えられておっての、誰もが通れないと困っておるのだ。そのせいかわからんが、遺跡も客が減ってしまったわい。」
「そうなのですか、大変ですね・・・。」

どうやらこのお爺さん、ここの遺跡の関係者のようだ。話を聞いただけでは、本当かどうかよくわからないのだが、お客が減って困っているということは、やはり何かリラの関係があるという事だ。
ゲートを抜け36番道路に出る。そして、そこから20mぐらい先にその「おかしな木」はあった。人型をしていて、その両手のような部分に緑色の実をつけている。恐る恐る触ると、その気はくねくねと動いた。正直気色悪い。そんなおかしな木があるために、エンジュシティへ遊びに行きたかった人が「誰か何とかしてほしいわ」とぶつぶつと呟いていた。
何もできないセツナは、「おかしな木」をひとまず忘れることにして、回れ右をして道なりに通って行く。その近くに、ちょっと太めの男性がいた。その男性はセツナに向かって「うっす!」と言って話しかけてきた。

「お主は、岩が邪魔で先に進めなーい!という経験をした事があったりするでごわすか?もちろん、あるでごわすよね?」
「え、あ、いや、ないです。」

少し戸惑いながら答えたセツナをよそに、その男性は話を進める。

「そんなお主には、この秘伝マシンをあげるでごわす!」

男性はにこやかな笑顔で、「ひでんマシン06」と書かれたディスクをセツナに渡した。ご親切にくれたのだから、貰っておこうと「ひでんマシン06」をバッグの「わざマシンポケット」にしまった。

「中身は必殺『いわくだき』!キキョウのジムバッジがあれば、この『いわくだき』でヒビだらけの石っころ何ぞ粉々でごわすよ!」
「へぇ~・・・そんなに凄いのか・・・『いわくだき』って・・・。」
「ただーし!こうした秘伝技は、一度ポケモンに覚えさせるとなかなか忘れられないでごわす。どのポケモンに覚えさせるか、よーく考えてやる必要があるのでごわすなー!」

会話を済ませ、その男性と別れる。道なりに進んでいくと、キキョウシティに戻ってきてしまった。そして、ポケギアでタウンマップを見てみる。

36ばんどうろ
うっそうと きが おいしげる
みどりの さんさろの みち

そうか、この道はキキョウシティにつながっていたのか、とセツナは納得した。
そういえばあの道は、「ずつき」に手ごろな大きな木がたくさんあった。森とまではいかないが、その気の多さで途中の道が狭くなっていた。そして、その狭い通路にあの「おかしな木」。

「・・・とりあえず、あそこは進めないみたいだから、さっきの通路からヒワダタウンに向かおうっか。」

―そうだね、ご主人様。―

そう言葉を交わしていると、バッグの方からもぞもぞと何かが動く感触がした。そして、何かを思い出すようにセツナははっとして気付く。

「お兄さんからもらった卵の事忘れてた。」

―冷静に言わないでよ!バッグの中で生まれちゃうよ!!―

「でも、チックはどうするの!?」

確かに、先ほど生まれたばかりで未だ抱きかかえている、この「チック」と名付けられたトゲピーをまずどうにかしなければならなかった。しかし、まだ生まれたばかりということで、おそらく手をはなしたら泣いてしまうのではないかと思った。だから、正直先ほどよりも慌てている。バッグの中から、卵が割れる音が聞こえる。これは完全にピンチである。

「よし!」

そう言って、片手でチックを抱えてうまくバッグを下ししゃがむ。そして、バッグの中からすでにヒビのはいっている卵を取り出し、ゆっくりと地面に置く。すると、卵のヒビの亀裂が広がっていき、まばゆい光を出したのち、1匹のモコモコとしたポケモンが生まれた。黄色いモコモコした毛にまとったポケモンで、つぶらな瞳がなんとも可愛らしかった。
何というポケモンなのか、さっそく図鑑を取り出す。

No.053 メリープ
わたげポケモン
でんき
たかさ 0.6m
おもさ 7.8kg

からだに せいでんきが たまると
たいもうが いつもの 2ばいほどに
ふくらむ。さわると しびれる。

「メリープかぁ、可愛いポケモンだなぁ♪そだ、ニックネームつ決めなきゃ!」

そう呟いてメリープを見つめる。そして一言こう言った。

「よし!キミの名前はこれから『メリル』だ!」

「メリル」と名付けられたメリープは、嬉しそうな顔になり頭上に文章を表した。

―ありがとうございます♪私、あなたのお役にたてるよう頑張ります!―

声を出してしゃべっているわけではないから、どんなイントネーションなのかわからないが、文面的に見てメリルはおっとりとした性格だなと、セツナは自分なり読み取った。
ひとまずメリルを専用のモンスターボールにしまい、チックの方もモンスターボールの中にしまおうかと悩んでいた。ニックネームはつけたものの、未だチックの方から言葉が現れる気配が見られない。

「まぁ、一応チックも立派なポケモンなんだし・・・鍛えていけば話せるようになる・・・かな?」

―たぶんね・・・。―

「たぶんか・・・不安だなぁ・・・そのカエンの『たぶん』って聞くと・・・。」

―ひどいや!―

そう言葉を交わしながら、キキョウシティの南を歩き30番道路へと向かったのであった。
後ろから、黄色いポケモンがついてきているとも知らずに・・・。



続く・・・。
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