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【ポケモン小説「絆」】Story9:カモネギとジム戦。

「ポケットモンスター ハートゴールド・ソウルシルバー」―絆―
Story9:カモネギとジム戦。




「あっそ、それが本当だというなら・・・その実力オレに見せてみろ!!」

ナツキはモンスターボール取り出し、ゴースを繰り出した。ゴースは「ゴースト/どく」タイプのポケモン。なら、大体技もゴーストタイプだ。その事を頭に置き、ノーマルタイプのラトを出した。

「は?ゴーストに対してノーマルポケモン出すのか!?これだから弱いやつは・・・ゴース、『あやしいひかり』!」

ゴースは目を光らせてラトを見つめる。

「ラト!ゴースの目を見ちゃだめだ!背後に回って『かみつく』攻撃!!」

ラトは指示に従い、ゴースをくぐり抜け飛びあがって思いきり噛みついた。効果は抜群でゴースはすぐに戦闘不能になった。

「何?!」
「ナツキ、『かみつく』は悪タイプの技だよ。」
「くそ!ふざけんなよ!ゆけ!ズバット!」

ズバットか・・・そう思いながらもラトを戻し、今度はピースケを繰り出した。ズバットっ対策なら、ロケット団との戦いで学んできたばかりだ。

「ピースケ!『ねんりき』!」
「ズバット!よけろ!」
「無駄だよ、ナツキ。避けられても『ねんりき』から逃れることはできない!」

セツナが言うと、ナツキのズバットはピースケの「ねんりき」によって操られていた。

「ちっ・・・何だお前、少しは自信をつけてきたのか・・・。」
「自信・・・まぁ、ちょっとは付いてるね。1つジム制覇したし。」
「フン!そうかい、調子こいてるのも今のうちだからな。」

そう言って操られているズバットを戻し、「これからが本番だ!」と言わんばかりに水タイプのポケモン――アリゲイツを出した。

「そ、そのポケモンは・・・もしかして・・・。」
「あぁ、研究所で奪ったポケモンだ。進化して、強くなったんだ。アリゲイツ!『みずでっぽう』だ!!」

アリゲイツはピースケに「みずでっぽう」を当てた。その勢いにピースケは飛ばされ、地面に落ちてしまった。しかし、まだ戦えるものの羽が濡れてしまって宙を飛ぶ事が出来なくなってしまった。

「とどめに『かみつく』!」
「戻れ、ピースケぇえ!!」

とどめを刺そうとしたところを、モンスターボールに戻して助けた。危うく戦闘不能になってしまうところだった。そして、それに対抗すべくメリルを出す。

―相手が水タイプなら私の「でんきショック」で倒せますぅ!―

メリルは余裕たっぷりだ。しかし、相手はすでに進化したポケモンで、こちらはまだ進化をしていない。すぐに倒せるとは到底思えない。それでも、セツナはメリルに「でんきショック」を指示した。効果は抜群だが、相手はまだ戦えるようなそぶりを見せていた。それでも、大ダメージだということは間違いない。
今度はアリゲイツの方がメリルに向かって走り出し、思いきり噛みついた。痛そうにするメリルだが、なんとか耐えていた。するとアリゲイツは何かにはっとなり、サッとメリルから離れた。様子を見ると、多少なりとアリゲイツの体に電気が走っている。この状態を「まひ」という。

「そうか!メリルの特性は『せいでんき』!接触した相手を『まひ』状態にする事が出来るんだ!いけるよ、メリル!」

―はいですぅ!―

「おいおい、ふざけんなよ・・・こんなやつに負けるなんて冗談じゃない!おい、アリゲイツ!さっさとこのふざけた野郎をぶちのめせ!!」

ナツキはアリゲイツに命令するが、「まひ」で体がうまく動かす事が出来なくなっていた。

「くそ!」
「今だよ、メリル!もう一度『でんきショック』!!」

アリゲイツに強力な「でんきショック」を与え、戦闘不能にさせた。

「・・・フン、使えないポケモンだぜ。」

ナツキは不貞腐れながら、アリゲイツをモンスターボールにしまった。

「・・・いいか、お前が勝てたのは、オレのポケモンが弱かったからさ。」

別にお前がオレより強かったわけじゃない。こいつらが弱いおかげでお前はオレに勝ったんだ。
ナツキはあくまで、自分自身が弱かったのではなく、ポケモンが弱いせいだと言い張った。言い張りたかった。自分が負けたのは、セツナが強かった、セツナのポケモンが強かっただなんて認めたくなかったのだ。それに、自分が負けたという事実も認めたくなかった。

「俺は弱いやつが大嫌いなんだ。ポケモンだろうが、トレーナーだろうが・・・そういう弱いやつらがうろついてるのが目障りでしかたない・・・。ロケット団も同じ。ひとりひとりは弱いくせに、集まって威張り散らして偉くなったつもりでいる。そんな奴が許せないんだ。」
「ナツキ・・・。」
「お前はうろちょろするなよ。オレの邪魔をするなら、ついでにお前も痛い目にあわせてやるからな・・・。」

ナツキはそう言ってから、ゲートの方へと歩いて行ってしまった。
しかし、ナツキのあの言葉は何かを意味しているようにしか思えなかった。研究所からポケモンを奪ったということはまず置いといて、ナツキも少なからずロケット団の存在が許せないようだ。あんな乱暴な事を言っていても、ナツキにもやっぱりいいところがあったんだなとセツナは思った。

―あのぅ・・・。―

メリルがもぞもぞと動きながら、セツナにツンツンと足をつついてきた。何事かと思っていると、メリルの体が光り出したのだ。そして、チックも何故か勝手に出てきて、体が光り出す。2匹とも進化が始まったのだ。
メリルは4足だちから2足立ちになり、体のもこもことした毛は真っ白になったが、頭から首のあたりにまでと言うように、毛が減っていた。そして、体の色はピンク色に変わった。
チックは小さな体が倍の高さになり、真っ白な体に小柄な翼をはやした。

―進化しましたぁ♪―

と、メリルはぴょんぴょん跳ねて嬉しそうにした。一方チックの方は、普通ににっこりとこちらを見つめていた。そして・・・

―ようやく、ご主人様とお話出来るんでしゅね♪―

頭の上にそう文字を出した。性別はオスだというのに、語尾がなんともかわいらしい。
ようやく話す事が出来た事に、セツナはなんだか嬉しくなりチックを抱きしめた。それにより、メリルが驚いて嫉妬心を燃やす。そして、トコトコと歩きチックの翼をちょっと引っ張った。

―いたっ!な、何するんでしゅか!―

―私は何もしてないですよぉ?―

―何もしてないって・・・今ぼくの翼引っ張ったでしゅよね?!―

―だから何もしてないって言ってるんですぅ!―

「こ、こらこら・・・喧嘩はよくないって・・・。」

言いながら2匹をモンスターボールの中にしまった。今のところこの2匹を一緒にすると、喧嘩になりかねないので、しばらく一緒にしないようにと心に誓った。
とにもかくにも、先ほど頼まれた事をしなければならない。ウバメの森の方に弟子の人が言ったということで、セツナは目の前に見えるゲートを通る。そして、ゲートの外から出ると、そこはまるで夜にでもなったかのように薄暗かった。鬱蒼と生い茂るウバメの森は、青々と輝く美しい空を覆い尽くしていたのだ。そよそよと吹く風が木々を揺らし木漏れ日が差し込む事があるが、それは出たり消えたりの繰り返しであった。夜になればより一層暗くなり、不気味な雰囲気を醸すに違いない。今でも不気味な雰囲気はしているが。
セツナはかろうじて道なりになっている場所を通り、迷わないようにしるしをつけながら進んでいった。すると眼鏡をかけた一人の若い男性がセツナの視界に入った。何かをぶつぶつ呟いている。

「あぁ、どうしよう・・・親方に怒られるー!」

どうやら、この人が見習いの人のようだ。

「あの・・・その親方さんに頼まれたんですけど・・・カモネギは・・・?」
「それがね・・・炭焼きの材料の木を切ってくれるカモネギが森に逃げちゃったんだ!」
「じゃ、僕が代りに捕まえてきますよ!」
「きみが?捕まえられるのかい?カモネギは耳がいいから枝を踏んで音を立てるとそっちを振り向くんだよね。その隙に、後ろから近付いていけばきっと・・・きみ、そんな事出来る?」
「まぁ、やってみます。」

そう言って、見習いの立っている場所から進む。そして、岩陰に隠れるカモネギを発見し、うまく気付かれないようにそうっと歩いた・・・つもりだった。

―パキッ!

「あっ。」

枝を踏んでしまった。その音に反応したのか、カモネギがこちらに気付き、枝を踏む音に警戒してセツナの方を見た。逃げられるのかと思っていたが、カモネギはこちらを見ているだけで逃げもしなかった。どうやら岩が目の前にあるおかげで、こちらの姿はうまく見えていないようだ。下を見ながら、慎重に枝を踏まないように歩き、小さく狭い道を通って遠回りをする。どうやらこのあたりの細い道には枝は落ちていないようだ。慎重に慎重に歩み寄り、気付かれずにカモネギを両手で捕まえた。それに驚いたカモネギは「くわー」と鳴き多少暴れた。逃げられては元も子もないので、両腕を使いカモネギを抱きかかえておとなしくさせる。そして、ようやくおとなしくなったので、見習いの人にカモネギを手渡した。

「わお!きみ、カモネギを捕まえてきてくれたんだね!ありがとうありがとう!」
「いえいえ、喜んでもらえてよかったです。」
「でも・・・カモネギもう一匹いるんだ。」

そんな話は聞いていない。

「いいかい、カモネギは枝を踏んづけた音がするとそっちの方に向くから・・・。」
「その説明はさっき聞きました。」
「そ、そうだったね。とにかく、そーっと近付くんだよ!?」

そう言われ、さっきカモネギを捕まえた場所からさらに奥に進んでみる。先ほどよりも、かなり入り組んでいる。細い道をたどっていくと、目の前にカモネギがいた。すぐに捕まえられると思ったが、カモネギはこちらの存在に気付き逃げてしまった。そして、木の陰に隠れるカモネギ。
セツナはこの入り組んだ場所を利用し、カモネギが隠れた木の陰の後ろに回り込み、近くにあった枝を踏みパキッと鳴らす。姿は見えないが、おそらくこちらの方に気が付いただろう。そして、うまく捕まえやすいようにまた少し進んで枝を踏みパキッと鳴らし、さっき来た道を戻り、慎重に慎重にカモネギに近付き両手でカモネギを捕まえた。こちらのカモネギも驚いて多少暴れはしたが、すぐにおとなしくなり見習いの人のもとへ戻り手渡した。

「うわ!カモネギが2匹とも戻ってきた!きみありがとな!俺、ジムバッジ持ってないから、親方のポケモン俺の言う事聞かないんだよ。」
「それはそれは・・・。」
「いやーよかったよかった!」

見習いがそう呟くと、タイミング良く親方がやってきた。

「おお!わしのカモとネギ!」

ニックネームが付いていたようだ。セツナ並みにニックネームの付け方が安易である。

「ひょっとして・・・ホントにお前さんが見つけてくれたんか!?」
「いやぁ、頼まれたわけですし・・・頼まれた事は断れないんで・・・。」
「そうか・・・でも助かった!木を切るこいつらがいないと、わしらは炭が作れねぇ!とにかくありがとうよ!礼をしないといけねぇな・・・。」
「いやいや、いいですよお礼だなんて。」
「そういうなって!そうだ!こいつを持っていきな!」

親方は懐からごそごそとあさり、ディスクを渡してきた。それには「ひでんマシン01」と書かれていた。

「そいつは秘伝『いあいぎり』!!ヒワダジムのバッジがあればこいつを覚えさせたポケモンが細い木を切ってくれる!ただーし!こうした秘伝技は、一度覚えさせるとなかなか忘れんからどのポケモンに覚えさせるかよーく考えるがいい!」
「ありがとうございます!さっそくジムに挑戦してこようかと思います!」
「そうか!だったらわしのところで修行するか?10年で一人前だ!」
「じゅ、10年!?遠慮しておきます。」
「そうか、残念だな。」

そもそも、10年も修行なんてしていられない。そんな暇があるのなら今頃、リーグチャンピオンになっている頃である。
セツナは親方に丁重に挨拶をして、その場を立ち去りゲートを通る。先ほどまで意識はしていなかったが、ヒワダタウン特融の煙の匂いが、風と一緒に流れている事がわかった。煙の匂いと言っても、火事が起こっているわけでもなく何かが焦げている匂いでもない。炭火焼した木炭の香がするのだ。その匂いに、カエンもくんくんと匂いをかいでいる。
とりあえず、先ほどもらった「ひでんマシン01」はヒワダジムのジムバッジがなければ使えないということだから、さっそく挑戦するためにジムの中に入って行った。中に入ると、ポケモンの銅像が両脇に置いてありその右側にキキョウシティのジムでも見た人が立っている。床は目に優しいほんのりとした緑色をしていて、ひし形のタイルになっていた。ポケモンの銅像の中心となる場所に、テントウムシのマークが描かれている。しかし、この部屋はどうやらまだ「玄関」と呼べる場所であった。その証拠に、この部屋の奥に向こう側へと通じる場所があった。扉は存在しないが、ここから向こう側の部屋をのぞく事は出来てはいないようだ。

「オッス、チャレンジャー!」

部屋を一通り見まわしているセツナに、ポケモンの銅像の隣に立っている男性が話しかけてきた。別にいる事は知っていたが、いざ話しかけられると驚いてしまう。しかし、そんな仕草を見せずにセツナは男性の方に向く。

「このジムは、ツクシが作ったポケモンの巨大だ巣だ!ツクシはまだ若いのに、虫ポケモンを使いこなす!」

まだ若いのに・・・一体どれほど若いというのだろうか。キキョウシティにいるハヤトぐらいだろうか?いや、それよりももっと若いのか?
そう思考を巡らしているセツナをよそに、男性は話を進める。

「アドバイスがないとつらいだろ?よーし任せとけ!そうだな!虫ポケモンは炎ポケモンが嫌いだ!それに飛行タイプの技も効果抜群だな!」

キラッ☆
キキョウシティのジムにいた男性と同じく、特徴となる丸い眼鏡が光る。虫ポケモンが炎や飛行に弱いのは百も承知であるが、アドバイスをしてくれるのは何となく心強い。緊張している気持ちも吹っ切れる。
男性にアドバイスをしてくれた事にお礼を言い、向こう側に入るための入り口を通る。そこには、とてもとても広い空間だった。季節の変わり目がわかるような木が何本も植えられており、不自然にならないように落ち葉が敷かれている。小さな雑木も側面に植えられていた。何より驚いたのは、目の前にぽっかりと空いた大きな穴。その穴には非常に丈夫な縄を何本もねじり合わせてできたものが張られていた。その縄には虫ポケモンをかたどったような乗り物が3台乗っかっていた。この縄が丈夫とはいえ、3台も載っているわけだから切れたりはしないのだろうか?そんな事があってはたまらないので、安全のために縄の下には、クモの巣のような形をしたネットがこの穴全体をふさぐように張られていた。さすがは虫ポケモンの使い手と言ったところだろうか、ネットの形までこだわりを見せている。
よくよく見ると、縄は阿弥陀のようになっていた。この3つのどれかに乗れば、向こう側へと進めるようになっているのだ。セツナはまず、何も考えずに真ん中の乗り物に乗る。すると、乗り物は阿弥陀を進み動いて行った。直進、左、直進、右斜め、直進、右、直進・・・着いた場所はトレーナーがいた場所。周りを見てもこの先進めるはずがない場所だ。

「虫ポケモンのように、巣を渡ってここまで来たな!きみに虫ポケモンの魅力を教えてやるぜ!」

そう言って出してきたのは、キャタピー。カエンに「ひのこ」を指示して戦闘不能にさせる。次に出してきたビードルも「ひのこ」で軽く終わらせる。

「きみの強さを教えられたぜ!」

トレーナーは唖然としながらもそう答えた。乗り物に乗り来た道を戻り、今度はちゃんと考えて次は左側に乗る。すると、ものの見事に進める道へとたどり着く。目の前にいるトレーナーに軽く勝利し、次の阿弥陀式の乗り物がある場所に着く。ふと見ると、今度は1台しかない。そのかわりにレバーのようなものが置かれていた。セツナは左側に寄っているレバーを右側に切り替えてみた。ガコンという音が鳴り、この場所に張られた縄で、青色をした縄が緩んでいた。おそらく、この緩んだところには進まないという事であろう。しかし、緩んだままだとジムリーダーのツクシのところにはたどり着けない。レバーを左に戻してから目の前の乗り物に乗り、いったん降りる。近くにいたかわいい双子の女の子と戦ったあと、レバーを発見したのでそのレバーを左側に押す。青い縄が緩んだのを確認してからまた乗る。すると今度はまた違うレバーがある場所に着く。そのレバーも左側へと切り替えると、今度は赤く染まった縄が緩んだ。それを確認して乗り物に乗ると、ジムリーダーの前に辿り着いた。

「よく辿り着いたね。ぼく、ツクシ!虫ポケモンの事ならだれにも負けないよ!なんたって、将来はポケモン研究所で偉い博士になるんだから!」

玄関にいた男性が言ったように、ツクシは若かった。いや、若すぎた。おそらく、セツナとは1~2歳ほどしか違わないだろう。将来の夢を語れる幼さを未だ持っているのだから。

「というわけで、ぼくの研究成果見せてあげるよ。」

ツクシはそう言ってトランセルを繰り出した。どんなにレベルを上げても、トランセルのままでは覚えている技はおそらく「たいあたり」と「かたくなる」、そして「いとをはく」だ。実力を見るための小手調べと言うところだろう。表情はとても堂々としている。
そのトランセルに対抗すべく、セツナはカエンを前に出す。そして、カエンに「ひのこ」を指示。もちろんツクシのトランセルに当たり戦闘不能に。
今度はコクーンを出した。コクーンも同じくレベルを上げてもこれ以上の技は覚えられない。おそらく持ち合わせている技は「どくばり」、「いとをはく」、「かたくなる」だ。再びカエンに「ひのこ」を指示し、戦闘不能にさせる。しかし、ツクシは一体何を考えているのだろうか。ただやられるだけでは、ジムリーダーとしてやっていけないはずだ。プライドというものがないのだろうか?
そんな思考をよそに、ツクシはようやく本領発揮を見せたようにストライクを繰り出した。そして、ストライクに「でんこうせっか」を指示すると、目にもとまらぬ速さで移動しカエンに突っ込んだ。威力が大きかったのか、カエンが後ろの方に吹っ飛ばされ後ろの穴に到達し、落ちてしまいそうになった。このまま戦っていれば、こういう事が起こりかねないと思い、いったんカエンをモンスターボールの中にしまった。そして、次に繰り出したのはピースケだ。ピースケならばストライクの「でんこうせっか」に飛ばされても、穴に落ちる心配はない。

「バタフリーか・・・いいポケモンを出したね!でも、ぼくのストライクはしぶといよ!」

ツクシの言った言葉は、まさに正論だった。ピースケが必死に「かぜおこし」を出していても、ストライクはうまくガードしてびくともしない。効果抜群なのは確かなのだが、このストライクは余裕を見せるばかりだ。そして、ガードしながらの「きあいだめ」をしていたのか、次に出した「でんこうせっか」がピースケの急所に当たった。しかし、こちらもせっかくここまで来たのだ。倒されるわけにはいかない。そう思いピースケは何とか耐えたのだが、かなりの体力を消耗していた。その証拠に、息を切らしている。これは早めに勝負をつけなければならない。
息を切らしているピースケだが、まだ大丈夫とキリッとした目付きで訴えた。その視線を受け、ピースケを信じもう一度「かぜおこし」を指示する。そして、その指示にこたえピースケは先ほどよりも激しい風を起こした。ストライクはガードするのが精一杯だ。しかし、また「きあいだめ」をしているかもしれないと思い、次の行動をとることにした。

「ピースケ!高い位置から急降下してその勢いを借りて『たいあたり』を決めるんだ!!」

ピースケはその言葉に了承したしぐさを見せ、いったん風を起こすのをやめて、高い位置に飛びそのまま一気に急降下。そして、ストライクに強烈な「たいあたり」を決めた。ストライクはガードしていたのだが、強烈な勢いに負けて戦闘不能になった。

「うーん、ここまでか・・・」

自分の手持ちがこれ以上ないのか、ツクシはそう呟きストライクをモンスターボールにしまう。。つまり、セツナはこの勝負に勝ったのである。勝利した事に安心したのか、ピースケが空中から落下しだす。完全に落ちてしまう前にモンスターボールの中にしまった。

「きみ、ポケモンに詳しいんだね!」
「でも、そこまで詳しくはないけれど・・・。」
「そうなのかい?でも、ぼくの研究もまだまだだ!もっとポケモンの事調べなきゃね!ってことで、このバッジを持って行ってよ!」

そう言って玄関にもあったテントウムシのマークのバッジを、セツナに手渡しそれを受け取った。

「インセクトバッジの効果は知ってる?インセクトバッジをね、付けてると人からもらったポケモンでも30%ぐらいのレベルまで育てたのポケモンが素直になるよ!あとね、『いあいぎり』を覚えたポケモンは、戦っていない時でもその技を使えるんだよ!」

そして、追加するように「これを持って行って!」と言って、「わざマシン89」と書かれたディスクをセツナに持たせた。それを「わざマシンポケット」にしまった。

「『わざマシン89』の中身は『とんぼがえり』だよ!この技を使ったポケモンは、攻撃した後、手持ちのポケモンと入れ替わる!どう、すごいでしょ!?」

確かにすごい技だと思った。ちなみにさらに説明を加えるとするならば、自分が能力を上げる技を使ったとする。普通に手持ちのポケモンと入れ替えるとその効果は失ってしまうが、「とんぼがえり」を使えば能力を上げた効果は失われずに、入れ替わったポケモンに受け継がれるのである。しかし、セツナはおそらくこの能力には気付いていないだろう。ただ単に「うん、すごいね!」と答えるだけなのだから。

「虫ポケモンっていうのは奥が深いんだ。まだまだ研究する事がいっぱいあるんだよ。きみも好きなポケモン、徹底的に調べたらどう?」
「自分が本当に好きなポケモンが見つかったらやってみるよ!」
「うん!そうしてみてよ!ぼくも頑張るからさ!」

そう言葉を交わした後、先ほどの乗り物に乗って玄関部屋に行った。すると、あの男性が話しかけてくる。

「やるじゃないか!若いトレーナー同士の激しいバトル・・・ポケモン世界の未来は明るい!」

キラッ☆
メガネを光らせ、いかにもバトルを観戦していたかのように男性は言った。
ふと銅像を見る。そこにはこう書かれていた。

ヒワダタウン ポケモンジム
ジムリーダー ツクシ
にんてい トレーナ!
セツナ

ジムリーダーに勝利した証だろう。
いつまでも感動に浸っている男性をおいて、セツナはジムの外に出た。すると・・・

「ピチュー!」

黄色いポケモンが、セツナの前に立っていた・・・。



続く・・・。
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