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03:書きたいと思っていた短編小説。

―ミツとハチ―



次の日・・・ミツは数百はいるスズメバチより、早く起きました。今の時間は誰も起きていないので、起きているのはミツだけです。当然、女王様も眠ったままです。
ミツはみんなが起きないように、恐る恐る巣の中から顔を出します。外には監視役のスズメバチがいました。
一睡もしていないのでしょうか?このスズメバチはとても眠そうに飛んでいます。今にも眠って、地面に落ちてしまいそうです。そんな風に飛びながら「交代・・・交代まだぁ~・・・。」と呟いています。半分眠っているので、寝言なのか本音なのかよくわかりません。
他にも、監視役のスズメバチがいるのですが、彼らも同様、ものすごく眠そうです。
ミツはそんな眠そうな監視役の目を盗んで、こっそりと巣の外へ出て行きました。

しかし、その行動はすでに偵察部隊が知っていました。
彼らは、ミツを見逃さない程度の距離を保ち、尚且つ気付かれないように、後をついていきました。

ミツの目指す先は、多種多様な花が咲いている花畑。そこには、自然という自然が広がり、蝶やクモ、カマキリ、アリ、バッタなど・・・さまざまな昆虫がこの花畑に住みついています。
しかし、やはり朝が早すぎたのでしょうか、他の昆虫たちも眠っているようでにぎやかというわけではありません。いるとしたら、昆虫の天敵である鳥ぐらい・・・。
鳥はミツより早く起き、大空を舞っています。何が目的で空を飛んでいるのか、ミツにはさっぱりわかりません。わかることは「食べられないように注意する」事だけです。

とても静かな花畑を、ミツは優雅に飛びます。こうやって飛んでいる時だけ、ミツは自分がスズメバチだということを忘れることができます。忘れることによって、気持ちを清らかにできるからです。
そうやって飛んでいると、ミツはまた何かにぶつかります。

「いたたたたた・・・。」

聞き覚えのある声――それは、ハチでした。

「あ、ミツ!また会えたね!うれしいよ♪」
「うん!僕もうれしいよ♪でも、どうしてこんなにも朝早く?」

ミツの問いに、ハチはこう言いました。

「花弁についてる朝露を飲みに♪」

この花畑は、景色がきれいだけではなく、空気もとてもおいしい場所です。それに比例して、朝露もおいしく感じるのです。自分の巣の近くには、こういったものがないので、わざわざここにきて朝露を飲み来るのです。
・・・というか、さまざまな花があるので、ここから花粉をよく捕りに来ていると、ハチは言いました。

「ミツはどうして?」
「なんだか目が覚めちゃって・・・だからここに来れば、ハチに会えるかなって♪」
「そっか♪」

そう言って、二人は顔を見合わせ笑います。

「そうだ!今日、ちょっとした面白い友達紹介するよ!」
「面白い友達?ミツバチの?」
「うぅん、違うよ。会えばわかるから♪」

ハチはフフフと笑い、朝露を一口飲みました。
表情はとても美味しそうです。

しばらくすると、辺りは先ほどより明るくなり、昆虫たちも起き始めました。
しかし、なかなか表に出てきません。やはりまだ早い時間、昼間のようににぎやかにはなりません。

「で、ハチ、面白い友達って?」
「そろそろ明るくなったし・・・いいかな~・・・ミツ、ついてきて♪」

ハチは、頭にクエスチョンマークを浮かべているミツを、引き連れるように誘導しました。
誘導されてきたところは、1輪の白い花。ここに、面白い友達がいるというのです。いったい、誰がいるというのでしょうか?
ハチはしばらくその白い花を見つめていました。そして、こう言いました。

「カマさんみーつけた!」

ゆらり・・・風もないのに、白い花が動きました。そして、声も聞こえてきました。

「はぁ、また見つけられた・・・これじゃ、狩りができないじゃないか!」

よく見ると、その白い花はカマキリでした。しかし、一般的にみるカマキリではありません。真っ白な体をしていて、腕と足には白い花の花弁のようなものがついています。
ミツが不思議そうに、「カマさん」と呼ばれたカマキリを見つめていると、ハチがくすくす笑った後紹介するように説明しました。

「紹介するね、ハナカマキリのカマさんだよ♪」
「はなかまきり?」

ハナカマキリ・・・それは自分と同じ色の白い花に擬態して、寄ってきた昆虫を捕まえてしまうカマキリです。普通なら、この時点でもう捕まり、食べられてしまっているところです。

「話はこのハチから聞いてるよ。スズメバチなのに、それらしいところ一つもないんだって?」
「う、うん・・・。」

否定はできません。自分でも自覚していることです。
他のスズメバチより体は小さいし、顎もそれほど鋭くありません。さらに、通常獰猛な性格と言われているのに、ミツの場合はとても優しい性格をしています。こんなスズメバチ、どこを探しても他にはいないでしょう。

「確かに、スズメバチらしくないね~♪ミツバチと間違えるぐらいか?」
「ははは、まさか。」

これでもスズメバチ。ミツバチに間違えられていたら、今頃ハチが住んでる巣にいることでしょう。間違えられていないのだから、こうしてここにいるわけですが。

「で、ハチ、今日は何しに来たんだい?狩りの邪魔するようだったら、たとえハチでも食べちゃうよ~♪」
「ご、ごめんカマさん・・・ミツを紹介したかっただけなんだよ・・・。」
「あー・・・こっちもごめん、食べちゃうってのは冗談だから・・・。」

カマさんは、ほんのちょっぴりおびえたハチを慌ててなだめました。

「あ、そうだ、ジョーにもあってきたらどうだ?からかう感じにさ!」
「それもそうだね!じゃ、行ってくるよ!」
「え?何?今度はどこ行くの!?」
「フフ、きてみればわかるって♪」

そういって、カマさんに別れを告げた後、ハチはまたミツを誘導しつつ「ジョー」と呼ばれる、人物(?)の元へ行くのでした。


続く・・・
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